【ボート】新世代の星・桐生SG初制覇

 「ボートレースクラシック・SG」(22日、尼崎)

 人気を集めた1号艇の桐生順平(28)=埼玉・100期・A1=がインから逃げてSG初優勝。優勝賞金3500万円と、来年のSG・ボートレースクラシック(16年3月16~21日・平和島)の出場権を手に入れた。2着に中沢和志、3着に毒島誠が入り、関東勢が上位を独占した。

 埼玉の若き天才がボート界に新たな歴史を刻んだ。インから力強く押し切り、桐生が100期以降で最初のSG覇者に輝いた。昨年末のグランプリでは99期の茅原悠紀がV。世代交代の波に乗って新たなスターが誕生した。

 2年前に味わった悪夢も払しょくした。13年オールスター(福岡)では、今回と同じ1号艇で頂上決戦に駒を進めるも、S遅れが響き6着大敗。「あの失敗がなければ(今回は)負けていたと思う。福岡で遅れたので、遅れるのだけは絶対に嫌だと思った」と踏み込んだSはコンマ08。真っ先にスタートラインを通過して最初にゴールを駆け抜けた。

 “仲間”の活躍も刺激になった。高校時代には自転車競技で活躍していた桐生。レース直前の控室で偶然、テレビに映っていた競輪のG1・日本選手権で「一緒に練習をしていた」という新田祐大が優勝。レース結果は見届けることができなかったが「ずっと緊張していたけど(新田が)頑張っている姿を見てリラックスできた」と笑顔で振り返った。

 この優勝で早くも2年連続のグランプリ進出へ大きく前進。「昨年は初めて出場して、まだここにいる立場の選手じゃない」と力の違いを痛感したが、SGウイナーになった今は違う。念願のタイトルを手にした新世代の旗手が、年末までボート界をけん引してみせる。

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