G1・賞金女王決定戦
三浦初代クイーン!歴史作った“テクニカル”まくり差し
2012/12/16 大村12R▼G1・賞金女王決定戦 | |||||
着順 | 連番 | 選手名 | 住所 | 進入 | ST |
1着 | ③ | 三浦 永理 | 静岡 | ③ | 12 |
2着 | ① | 田口 節子 | 岡山 | ① | 16 |
3着 | ④ | 角 ひとみ | 広島 | ④ | 18 |
4着 | ⑤ | 香川 素子 | 京都 | ⑤ | 14 |
5着 | ⑥ | 山川美由紀 | 香川 | ⑥ | 21 |
6着 | ② | 日高 逸子 | 福岡 | ② | 12 |
初代賞金女王の座に輝いたのは今年女子最多勝を独走する三浦永理(29)=静岡・91期・A1=だった。3コースの三浦がトップスタートから切れ味鋭いまくり差しを決めて優勝。G1初制覇を記念すべき第1回大会で決めた。人気を背負った1号艇の田口節子(31)=岡山・85期・A1=は2着に終わり、3度目のG1制覇は成らなかった。また、11Rの賞金女王シリーズ戦は池田浩美(36)=静岡・81期・A2=がイン逃げで制した。
賞金女王決定戦を制しタレントの南明奈に祝福される三浦永理(左)
超抜機でつかんだG1初戴冠
初代賞金女王を決める大一番で、三浦が艇間を切り裂く、ド派手なまくり差しを決めた。「まくっても届かないと思って、まくり差し一本に絞った」と狙い澄ました一撃で人気を集めた田口、日高の内枠コンビを撃破した。今大会で付けられたキャッチフレーズは「テクニカルエリー」。その名の通り、ターン技術は誰もが認める女子トップクラス。だが、次代の女王候補と呼ばれ続けながらも、これまでは結果が出なかった。女子王座では優出ゼロ。準優1号艇で敗れた昨年の三国では涙を流し、予選敗退した今夏の若松では「スター性がないってことです」と自信を失ったこともあった。
これまで味わってきた屈辱を大一番で一気に晴らした。評判のエンジン41号機を引き当て、トライアル2回戦では1号艇も引き当てるなど、完全に流れを引き寄せた。「最初に試運転して1周でいいなって思った。選手になって初めてこんないいエンジンに乗った」と振り返る超抜機。優勝戦を前に足落ちしたが、思い切ったペラ調整でパワーを復活させて初の頂点に立った。
「最後は伸びも良くなった。こんないいエンジンや足を味わったので、これからはこの足を目指したい」。悲願のタイトルを手にしたが、まだまだ満足はしていない。やまと卒業者では初の女子GⅠウイナーになった三浦が、来年も女子戦線の中心を突っ走ることは間違いない。
1周2M
優勝戦VTR
部品交換はなし。進入も淡々と流れ、展示、本番ともに枠なり3対3。2コース日高、3コース三浦がコンマ12のトップSを決めた。イン田口はSでやや遅れたが、伸び返して1M先マイ。一番差しを狙った日高のすぐ上を、三浦がまくり差しで飛び込み、田口の内を捕らえて突き抜けた。田口は2着。日高は1Mで三浦の引き波にはまって後退。2番差しで飛び込んだ角がバックで3番手となり、2M以降に猛追した香川を振り切って3着に踏みとどまった。戦い終わって
田口劣勢覆せず人気を背負った1号艇の田口はイン逃げならず。賞金ランク1位から、初代女王の座に輝くことはできなかった。連日、懸命の整備で立て直しを目指したが「乗り心地は良かったけど、エンジンはやっぱり劣勢でした」とがっくり。決定戦の中では低調なエンジンを引いてしまったことが、最後まで響いた。「(三浦の)41号機を引けなかった、自分が悪い」と、抽選運のなさを嘆いていた。
SG超えた売上90億円
今節の売上は90億6508万8200円。目標の70億円を大きくオーバーすると同時に、11月のSG児島チャレンジCを1億円ほど上回った。女子戦の人気ぶりを強烈にアピールする結果となり、大村ボートの田中克史・競走執行委員長は「女子レーサーの白熱したレースが展開され、ファンの皆様のご期待に沿うことができたものと確信しています」と喜んでいた。
角ひとみ(3着)
「自分としては、いいSが行けたと思う。足は変わらず良かった。何も考えずに走れた」
香川素子(4着)
「足は変わらずに良かった。落ち着いてレースできたし、満足できる」
山川美由紀(5着)
「Sでため過ぎた。いろいろやって、足は少し良くなっていた」
日高逸子(6着)
「三浦さんを気にしすぎた。普通に回れば良かったかも。でも、やっぱり三浦さんは出ていた」
WHO’S WHO
三浦永理(みうら・えり)1983年2月2日生まれ、29歳。静岡県浜松出身。加藤学園高校を卒業後、やまと養成所91期に入学。2002年11月に浜名湖でデビューし、初1着は03年多摩川。初優勝は07年11月の宮島女子リーグで、今回が17度目の優勝となる。G1は女子王座決定戦でも優出経験はなく、今回が初優出初優勝だった。10、11年と2年連続で女子最多勝。12年も16日時点で99勝を挙げ、2位に13勝差を付けて女子最多勝。身長157センチ。家族は母と兄、姉。生涯獲得賞金は2億2318万9944円。レースニュース
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