【ボート】荒井、音楽もボートも…ライブで輝く 4年ぶりキングカップで“熱勝”だ

 「児島キングカップ・G1」(3日開幕、児島)

 「開設64周年記念・G1児島キングカップ」は3日から8日までの日程で開催される。グランプリ出場組は菊地孝平、松井繁、魚谷智之の3人。今年SG、G1で活躍した面々を相手に、岡山勢は来年3月児島で開催されるボートレースクラシック出場へ全員が勝負となる。地元8人の平均年齢は42歳。4年ぶりにキングカップに帰ってきた荒井輝年(42)=岡山・73期・A1=に、児島担当の野白由貴子記者が迫った。

  ◇  ◇

 -音楽との出会い。

 「町中で音楽が流れていると、自然にスイングしていた。子供ながらに、何で他のみんなは踊らないのかと思っていた。自分の場合は言葉よりも先に音。選手になって20代はサーフィンで気分転換していたが、30歳でバンドを始めて13年がたつ」

 -30歳が岐路。

 「選手として10年頑張ってきて、色んな壁にぶつかった。30歳で第1回目の転機がやってきた。それまではサーフィンが好きで海外を回った。波乗りを通じて、世界は広い、もっと色んなことを知りたい、見たいと感じたことが現在の音楽活動へつながっている」

 -活動内容は。

 「基本はインスト(インストゥルメンタル)。倉敷のライブハウスに200人が集まった。アマチュアのワンマンではすごいことだと言われた。色んな分野の人と、13年続けてきたことはすごい」

 -ライブの魅力。

 「音楽は自分を感情的に表現できる場所。色んな角度から物を見ることができる。選手の中で、僕は選手っぽくないものの見方をする異端かもしれない。ボートは仕事だが、音楽では心が素直に解放される。音楽を通して色んな人と会い、自分が振り回されていることに気づかされた。食べ物も何でも一緒。シンプルな方が色んな物の輪郭が見える」。

 -ライブの持つ力。

 「音楽もレースも、オーディエンスが担っている。僕らが若いころはレース場もいっぱいで、着順が変わっただけでその場の空気が変わった。緊張感のある中、生半可な気持ちでプレーはできない。ボートも昔の方がライブ感があった」

 -ファンの生の声。

 「レース場でやじられたりもするが、自分の仕事を本質的に感じて、自分を奮い立たせることになる。勝つ人もいれば負ける人もいる世界。(何よりも)人がやっていることを生で見ることは全然違う。観客がステージを、見ているファンがレースを、作っていくのだと感じる」

 -キングカップへはどんな思いで臨む。

 「僕がボートレーサーだと知り、メガホンを作って応援に来ると言ってくれた20歳の子もいる。そんな若い世代に、音楽で表現してきた自分とは違う姿。生きていくため、生活するために走る姿を見て欲しい。結果はどうあれ、泥になった気持ちで走る。必死で、本気で勝ちに行こうとすることが原点。それは今の自分にしかできない。記念で結果を出すことは厳しい。無我夢中でやらないとこの年では追い付かない。余裕を持てなかった若い頃の無我夢中とは違う、今の気持ちを再確認しながら走る」

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