【JC】キタサンブラック“まつり”の予感 武豊勝利へ意欲

 「ジャパンカップ・G1」(27日、東京)

 上積みは十分だ。始動戦の京都大賞典を快勝したキタサンブラックは23日、栗東CWで最終リハ。しびれるような手応えで併せた僚馬に半馬身先着を決めた。ジャパンC歴代最多タイの3勝を誇る名手・武豊の手綱でG1・3勝目をつかみ取る。

 大一番を前にしても自然体だった。キタサンブラックは、黒岩(レースは武豊)を背に、朝一番の栗東CWに姿を見せた。最終リハはブラックマイスター(2歳未勝利)との併せ馬。4馬身後方から追走すると、馬なりで徐々に差を縮め、直線半ばで馬体を並べる。ゴールが目前に迫っても手綱は持ったまま。最後まで余裕の手応えで6F85秒3-39秒6-12秒2をマークし、半馬身先着を決めた。

 1週前の16日には同CWで6F79秒5の好時計を計時しており、鞍上は「先週、しっかりとやっているので馬なりでサラッと。動き的にも文句なく、予定通りの調整。時計的にもちょうどいい」と声を弾ませる。見届けた清水久師も「毛ヅヤも張りもグンと良くなっている。上積みは十分あると思う。歩様も良かったし、息もそれほど乱れていない。言うことないですね」と納得の表情を浮かべた。

 ダービー14着以来、1年半ぶりとなる府中での決戦。キャリア12戦で唯一2桁着順に敗れた条件にも、指揮官は「僕は全く心配していない。東京2400メートルでも走れるところを見せたい」と言い切る。武豊も「東京はデビューから連勝している。ベストと言える距離だし、舞台としてはいい」と歓迎ムードだ。

 ジャパンC歴代最多タイの3勝を誇る名手は「日本代表としての自覚を持って挑みたい。ジャパンCも今年で36回目。この馬にはふさわしいと思っています」と、歌手・北島三郎オーナーの名“サブロー”を連想させる節目の一戦に向けて意気込む。生観戦予定のオーナーとともに、今度は府中で“まつり”の凱歌(がいか)を響かせる。

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