【ラジオN賞】6年目杉原重賞初制覇へ

 「ラジオNIKKEI賞・G3」(3日、福島)

 デビュー6年目で訪れた好機に関東の若武者が燃えている。ピックミータッチで重賞初制覇に挑む杉原誠人騎手(23)=美浦・藤沢和=は今夏を重要なシーズンと位置付け、強い決意を口にした。福島の開幕週で結果を残し、飛躍への道を自ら切り開いていく。

 愛くるしさに満ちた普段の表情ではない。大きな瞳には強い決意が宿る。「何とか結果を残していたいと思っているんです。この夏はチャンスをもらっているから」。23歳の杉原がタイトルへの渇望を口にした。

 エージェント制が確立され、若手も早い段階からフリーで活動するケースも多い今の時代。デビュー時から藤沢和厩舎に所属し、ひたすら自厩舎の調教をこなす姿には新鮮味すら覚える。同門で主戦の北村宏がケガで離脱中ということもあり、好機が回ってくる今夏。「函館スプリントSのエポワスも5着。勝てなかった」。過去16回の重賞で最高着順とはいえ、悔しさ以外の感情は湧いてこない。

 今年でデビュー6年目。「レースでは落ち着いて乗れていると思う。でも周りからはそう見られていないみたいなんですよね。よくアドバイスを受けるんです」という。勝負強さが売りの岩田が口にした助言は「思い切りが足りない。腹をくくれ」。重賞を勝ち切るには、もう一歩踏み込んだ姿勢が必要だと実感した。

 コンビを組むピックミータッチは初騎乗だが、普段の調教で癖は把握済み。「出来はいいですよ。前走で騎乗したルメールさんも絶賛していたんです。我の強いところがあるから、そこをどうコントロールするか」。人馬が完璧な融合を果たした時、きっとVへの道は開ける。

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