ダートＧ１・７勝と大活躍したカネヒキリ（牡）が２７日、けい養されていた北海道新冠町の優駿スタリオンステーションで、種付け中の事故により急死した。１４歳だった。

　栗東・角居厩舎から０４年夏に新潟芝１４００メートル戦でデビューし４着、２戦目も芝を使って１１着に敗れたが、ダートに切り替えた３、４戦目を圧勝。０５年毎日杯で７着に敗れ、クラシック路線を断念後はダートでジャパンダートダービー、ダービーグランプリ（ともにＧ１）を含む４連勝の快進撃。ＪＣダートも制し、同年のＪＲＡ最優秀ダート馬に輝いた。

　０６年はフェブラリーＳを制し、ドバイワールドＣに挑戦して４着に健闘。帝王賞２着後に重い屈腱炎を患ったが、幹細胞移植手術を受け１年４カ月後に見事にカムバックし、０８年ＪＣダートなどＧ１・３勝を挙げる不屈の走りを見せた。通算成績は２３戦１２勝（うちＧ１・７勝を含む重賞９勝、地方９戦５勝、海外１戦０勝）。オーナーが同じ金子真人氏であることから“砂のディープインパクト”とも形容された。

　１０年に引退して種牡馬に。サイアーランキングは１４年１１０位→１５年４９位→今年３１位と上昇。代表産駒はいないが、評価を上げていたところでの事故だけに惜しまれる。

　なお、ダービーには、皐月賞２着馬マカヒキなど、同じ金子オーナー所有馬が４頭出走する。

　（有）優駿ＳＳ・須崎孝治代表取締役「さあこれからという時にこのような結果となり残念でなりません。残された産駒の活躍を願いたい」