【ダービー】これがオーディンの王道
「日本ダービー・G1」(29日、東京)
既に現役最多のダービー2勝。孤高の3勝目を狙うのが、スマートオーディンを送り出す松田国英調教師(65)=栗東=だ。02年タニノギムレット、04年キングカメハメハと同じ中2週で挑む“マツクニローテ”。10年ダービーを前日に取り消した父ダノンシャンティの無念を晴らす戦いでもある。メンバー最多となる重賞3勝馬で打倒・皐月賞組を狙う。
今回の出走トレーナーで、最もダービーの勝ち方を知るのが松田師だ。タニノギムレット(02年)、キングカメハメハ(04年)で現役最多の2勝をマーク。今年は自らが管理したダノンシャンティの子・スマートオーディンで、史上5人目となる3勝目に挑む。
これまでの2頭はNHKマイルCから転戦。京都新聞杯を制したオーディンとはレースこそ違うが、中2週の間隔は同じだ。「仕上げやすいんですよ。ダメージを受けているとまずいですが、そうでなければ、息をつくらなくてもいいし、しっかりと休ませることもできますからね」と24日、“マツクニローテ”の長所を挙げる。
前記2頭が歩んだNHKマイルCを選ばなかった理由は、「ダービーを勝ちたい」というオーナーの希望を最優先に考えたため。目先のG1よりも、長距離輸送を避けられ、距離延長やコーナー4つの競馬を経験できる京都新聞杯を選択した。
「毎日杯から京都新聞杯というのは(13年覇者の)キズナと同じです。どの馬が成功したかというのを見極め、そういうローテーションで、と思いました」。優勝請負人として、今回はあくまでダービーのVにこだわった。
父のダノンシャンティはNHKマイルCをレコード勝ちしたものの、ダービー前日に骨折が判明して、出走を取り消した過去がある。その子で挑む大一番。「そういう馬がウチにいる状況はありがたいです。オーディンもシャンティによく似ていて、精神的なものは受け継いでいますね。ただ、お父さんはマイルの体形でしたが、胸前が狭く、いろんなパーツが長いという馬体の構造から距離が持つと思います」。メンバー最多の重賞3勝馬を、自信を持って府中のクラシックディスタンスに送り込む。