【有馬記念】アクター1発狙う
「有馬記念・G1」(27日、中山)
2015年最後の大一番で、遅咲きの“名優”が輝きを放つ。決戦前々日となる25日のゴールドアクターは、美浦坂路を軽く1本駆け上がってからWでキャンター調整。中川師は「いい感じでしたね」とうなずく。今年に入ってからは無傷の3連勝。昨年の菊花賞3着後に無理をさせなかったことが奏功し、本格化へとつながった。「4歳になって、成長してくれたことが大きい。青写真通りにここまで来ましたね」と目を細めた。
前走のアルゼンチン共和国杯で初タイトルを獲得。3番手から2着馬をねじ伏せるようにとらえて賞金加算に成功し、グランプリの出走枠に潜り込んだ。わずか頭差のVでも、師は「当時は疲れがあったみたい。今回の方がいい競馬ができる」と期待の大きさをストレートに表現。G1の舞台にも気後れした様子は全く見られない。
父スクリーンヒーローは4歳秋の08年にジャパンCを制覇。同じ父を持つモーリスもまた、4歳になった今年に6戦6勝と大躍進を遂げ、年度代表馬の有力候補にまで上り詰めた。晩成の血が今、開花の時を迎えている。
「枠もいいところ。あとはジョッキーがうまく乗ってくれると思います」とトレーナーが言えば、最後のバトンを託される吉田隼も「なかなかこのようなチャンスはない。一発を狙うつもりで精いっぱい頑張ります」と気合満点。実績上位馬を蹴散らし、最高のドラマを演じ切ってみせる。