【有馬記念】松田博師、栄冠へ泰然自若
「有馬記念・G1」(27日、中山)
2人の名将が最後のグランプリに自然体で向かう。来年2月いっぱいで定年を迎える橋口弘次郎調教師(70)、松田博資調教師(69)=ともに栗東=は、これが現役最後の有馬記念だ。14年ダービー馬ワンアンドオンリーで14度目(1勝)の参戦となる橋口弘師、ラストインパクトで10度目(2着3回)の松田博師。思いはそれぞれだが、ともに気負いは感じられない。
「最後の?そんな気負いなんかないさ。気負って勝てるなら、全部勝っている」。ラストインパクトを有馬記念に送り込む松田博師はそう言って笑う。勝負の機微を痛いほど分かっているから、最後のグランプリを前にしても泰然自若の構えだ。
世間的にも最も盛り上がるレース。そこで思うのは、競馬界の“次世代”だ。ムーアの騎乗停止という経緯はあるが、ラストインパクトの鞍上に若手の菱田を指名した。デビュー間もない時期から「見どころがある」と評価してきた。
「根性のあるやつだから、思い切って乗ってくるだろう。指示?ロスなく回ってこいって言うだけだよ」。最後の有馬記念を若武者に気持ち良く任せる。