【阪神JF】ルメール移籍後初のG1V

 「阪神JF・G1」(13日、阪神)

 種牡馬部門の2歳リーディングを快走するダイワメジャーから、新たなヒロインが誕生した。1番人気のメジャーエンブレムが、4角先頭から楽々と押し切りV。ルメールは今年3月にJRA移籍後ではG1初制覇、田村師も開業18年目でうれしい初のビッグタイトル獲得となった。10番人気のウインファビラスが2着。関東馬が09年以来となるワンツーフィニッシュを決めた。

 栗毛の馬体が視線を独り占めした。1番人気の支持に応えるべく、メジャーエンブレムが直線入り口から後続を引き離していく。完勝と言える内容で2馬身差のV。2歳リーディングを快走するダイワメジャー産駒から新女王が誕生だ。

 「ごっつぁんです!」。ルメールが喜びを爆発させる。1枠2番からロケットスタートを決めたが、3角まではキリシマオジョウに絡まれた。「でも彼女は乗りやすい。小牧さんの馬が来て、少し行きたがったけど、その後はリラックス。長くいい脚を使った」。テン良し、しまい良しのレースぶりで他馬に付け入る隙を与えなかった。

 欧州の大馬主であるアガ・カーン殿下との契約が切れたこともあり、今年3月にJRAへ移籍したルメール。日本の免許取得後は初めてとなるG1制覇に「1年前に事故もあったから、すごくうれしい。これでJRAジョッキーになった」と昨年11月24日に京都12Rで落馬骨折したことに触れながら、会心の勝利に胸を張る。

 厩舎は自信を胸に挑んだ一戦。「この馬はG1を獲れる。そう信じていた。証明できたことがうれしい」と語る田村師は、開業18年目でようやく手にしたビッグタイトルだ。自身は3代目の調教師。父・駿仁氏は88年天皇賞・秋2着(レジェンドテイオー)が平地G1の最高着順だった。「一番喜んでいるんじゃないかな」。最高の親孝行に表情は緩む。

 次なる目標は牝馬クラシック制覇。「さらに切れる脚があるはず。磨きをかけたい」と指揮官は決意を新たにした。「祖父(仁三郎氏)が第1回桜花賞(39年=ソールレデイ)を勝っているんです」。桜咲き誇る来年の仁川にも、大きな夢が待っている。

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