【サウジアラビアRC】スマッシュ初V
「サウジアラビアRC・重賞」(10日、東京)
センスの良さと勝負根性を発揮し、出世レースを制したのは4番人気のブレイブスマッシュだった。中団の内め追走から直線の残り100メートルで鮮やかに抜け出すと、最後は上位人気2頭の強襲をしのいで重賞を初制覇。現2歳馬が2世代目となる父トーセンファントムに、初めてのタイトルをプレゼントした。
検量室に引き揚げてきた横山典は、馬上で「ヨシッ!」とひと言発して歓喜。「抜け出すとフワフワする面がある分、最後は際どくなったが、よくしのいでくれた」と安どの表情を浮かべる。4戦目で勝ち上がって迎えた重賞のステージ。小笠師は「ずっと調教をつけてくれて、今回もこの馬のいいところを引き出してくれた」とコンビ2戦2勝とした鞍上の手腕をたたえる。
昨年まで「いちょうS」の名称で行われていたこの一戦は、のちの7冠馬シンボリルドルフ(83年)など多くの名馬を輩出。近2年もイスラボニータ(皐月賞)にクラリティスカイ(NHKマイルC)と翌春のG1馬が制しており、わずか4戦でターフを去った父トーセンファントムも09年の覇者だった。次走は未定ながら、父の名を高めるべく孝行息子が大きく羽ばたいて行く。
