【アイビスSD】ベルカント復活V

 「アイビスSD・G3」(2日、新潟)

 1番人気の牝馬ベルカントが、初の“直千”コースで完勝劇を披露。約1年5カ月ぶりの白星を重賞3勝目で飾った。今週が新潟初参戦のM・デムーロも完璧な手綱さばきで、中京記念(スマートオリオン)に続く2週連続重賞Vを決めた。2着には9番人気のシンボリディスコが激走。連覇を狙った2番人気のセイコーライコウは4着に敗れた。

 快速牝馬とイタリア出身の名手が真夏の新潟で完璧に融合した。好スタートを決めたベルカント。それでもがむしゃらに攻めることなく、M・デムーロは最後まで脚を残した。好位からきっちりと伸び、“直千”では決定的な2馬身差のVだ。

 今週が新潟初騎乗の鞍上は満面の笑みで汗をぬぐう。「“直千”に乗るのが楽しみだったんだ。日本はなんで少ないのかな。いいスタート、いいポジションが取れたよ」と特異コースの攻略に胸を張る。この日3勝、土日で計4勝をマーク。新潟のファンに存在感を強烈にアピールし、まさに“名手、場所を選ばず”を体現した。

 最後まで陽気なイタリアンとは対照的に、角田師は安どの表情。「前走(CBC賞)で出走取消になり、オーナーに迷惑をかけた。ホッとしている」と胸をなで下ろした。3歳春までに重賞を2勝。素質馬が見せた、低迷からの脱却を印象付ける勝利に、「重賞で活躍したころの姿が戻ってきたね」と完全復活の手応えをつかむ。

 「実は2、3着が逆なら馬券は3連単を10万円持っていたんだ」と、仰天エピソードを披露したのが前田幸治オーナーだ。所有馬のワンツーを逃した悔しさをのぞかせつつも、会心のVに笑いは止まらない。「サマースプリントシリーズを狙います。2勝すれば取れるんじゃないか」と、次戦に北九州記念(23日・小倉)を挙げた。

 名手の手綱とスピードの生きる舞台で息を吹き返したベルカント。夏の短距離王を目指し、猛暑が続くこの時季を自慢の速力で突っ走っていく。

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