【宝塚記念】ラブリーデイ 一気に頂点

 「宝塚記念・G1」(28日、阪神)

 上半期最大の上がり馬が、今年重賞4勝目で一気にグランプリレースを仕留めた。ゴールドシップが15着に沈むなか、2番手追走から抜け出したのは6番人気ラブリーデイ。初のG1タイトルを獲得し、今後は海外遠征も視野にさらなる飛躍を目指す。後方一気に追い込んだ10番人気デニムアンドルビーが2着で、オーナーの金子真人ホールディングス(株)はG1ワンツーの快挙。3着は11番人気ショウナンパンドラで、3連単は52万8510円の波乱となった。

 1番人気ゴールドシップが後方でもがき、どよめきと歓声が入り交じるなか迎えた最後の直線、2番手追走のラブリーデイが堂々と抜け出した。川田の左ステッキに応えて、最後の力を振り絞る。同じ勝負服のデニムアンドルビーの強襲を首差でしのぎ切り、歓喜のゴールへ飛び込んだ。

 「何とか粘ってくれと思って追いました。最後まで確信がなく必死でした。引き揚げながら(浜中)俊と“どっち?”と確認したくらいです」と、8戦ぶりのコンビ復活で最高の結果に導いた川田は喜びをかみしめる。発走時に隣のゴールドシップが大きく立ち上がるアクシデントがあったが、人馬とも終始冷静に対処。G1初制覇の美酒に酔いしれた。

 同一年重賞4勝目での宝塚記念制覇は、グレード制が導入された84年以降では00年テイエムオペラオーなどに続く史上4頭目の快挙。鞍上は「以前より馬が充実してたくましくなっていました。悪い馬場もこなせましたし、いい時に乗せてもらいましたね」と、その成長力に脱帽する。

 池江師は12年オルフェーヴル以来、3度目の宝塚V。子どものころにはファン投票用紙に馬名を記入して応募したほど、グランプリレースに強い憧れを抱いていた。有馬記念を含むグランプリ6勝目は、故・武田文吾師を抜いて歴代トップだ。

 「チャンスはゼロではないと思っていた。きょうは馬場を4回歩いたが、日が照って風もあって段々乾いてきていた。こういう馬場なら踏ん張れると思った。天気もまさに“ラブリーデイ”。馬名の通りになって良かった」。雲間からのぞいた太陽の光が、勝利への道しるべとなった。

 急成長を続ける5歳馬は、秋も大舞台を見据える。指揮官は「これで選択肢が増えた。心身ともにタフだし、海外の不慣れな環境でも力は出せるはず。欧米や豪州、日本の中距離戦線など馬の状態を見てオーナーと相談して決めたい」と力を込めた。膨らみ続ける手応えを携え、さらなる栄冠を求めて走り続ける。

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