【安田記念】戸川牧場、G1初優勝

 「安田記念・G1」(7日、東京)

 戦国マイル界に新王者が誕生した。1番人気のモーリスが好位から抜け出してV。4連勝でG1初挑戦初制覇を決めた。

 生産者の戸川牧場は1960年創設でG1初優勝。戸川洋二代表(45、旧姓坂本)は「最後まで、どうなるか分かりませんでした」と胸をなで下ろし、目には光るものがあった。以前はメジロ牧場(11年解散)で育成馬を調教。20年前、戸川牧場の婿養子に入り3代目に就任した。

 「母はお世話になったメジロ牧場の馬。メジロの血統からG1馬が出て感激です」。母系の4代母メジロボサツは1965年の朝日杯3歳S優勝馬で、メジロ牧場を代表する牝馬の1頭。長い歴史とドラマに彩られた血筋だ。父ダノンシャンティの2歳牡馬は矢作厩舎入りが決定。下に当歳の全弟がいる。

 そして戸川代表の息子・大輔(19)は、北海高校の野球部で外野手として活躍し、埼玉西武ライオンズが昨年、育成ドラフト1巡目で指名。支配下登録を目指している。この日は練習後に来場し、優勝の瞬間に立ち会った。「モーリスは生まれた時に見て、さわったこともあります。東京競馬場に来たのは初めて。G1を勝つシーンを見られるとは」と大感激の様子だった。

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