【ダービー】やっぱりドゥラ!2冠達成

 「日本ダービー・G1」(5月31日、東京)

 2012年に生産されたサラブレッド6897頭の頂点に立ったのは、M・デムーロ騎乗の1番人気ドゥラメンテ。ダービーレコードを0秒1更新する、2分23秒2のタイムで完勝した。11年オルフェーヴル以来、史上23頭目となる皐月賞&ダービーの春2冠制覇を達成。秋の路線は未定で、菊花賞(10月25日・京都)で三冠達成を目指すのか、それとも登録を済ませている凱旋門賞・仏G1(10月4日・ロンシャン)に挑むのか、陣営の決断に注目が集まる。

 ひとつの歴史が塗り替えられた。M・デムーロを背に、ドゥラメンテがライバルを一蹴。歓声に包まれた東京競馬場の電光掲示板に勝ち時計“2分23秒2”が映し出される。父で04年覇者のキングカメハメハ、日本競馬史上最強馬と評される05年ディープインパクトを0秒1上回る圧巻のダービーレコード。競馬界にニューヒーローが誕生した。

 今年3月にJRA所属騎手となった陽気なイタリアンは、普段以上に高いトーンで興奮を伝える。「皐月賞はゴール前からガッツポーズをしてしまい、レコードが出なかった。最後はすごくいい脚だったよ」。狙い澄ましたように歴代最高タイムで駆け抜け、11年オルフェーヴル以来となる23頭目の春クラシック2冠制覇を達成した。

 馬名の意味は音楽用語で“荒々しく”。G1としては前代未聞の4角大斜行を犯しながら、豪快に突き抜けた1冠目の皐月賞はまさしく馬名を体現した内容だった。対してこの日は全く隙のない、問答無用のパフォーマンスでVをたぐり寄せた。

 「1~2角で少し掛かった」と序盤こそ危なっかしさをのぞかせたものの、その後は実にスムーズ。前半5F58秒8のハイペースを前走より積極的な8番手から運び、残り300メートルで早々と先頭へ。あとは搭載エンジンの違いで後続を完封だ。「いいポジションで進められた。直線はすごい手応え。ネオユニヴァースより切れる」。自身が騎乗し、03年に春2冠Vを成し遂げた名馬以上の走りに鞍上は目を丸くする。

 陣営は皐月賞V後に、凱旋門賞の一次登録を済ませた。世界最高峰の舞台へ挑戦が可能な状況にある。堀師は「オーナーと相談してからになるが、個人的にはもっとしっかり完成してから行きたい」とこの秋の参戦には消極的ながら、3歳での参戦は歴史が示す通り斤量面で古馬より大きなアドバンテージ(約3・5キロ)がある。「出走すれば、もちろんチャンス」。世界を知るM・デムーロは通用との見立てを示した。

 秋はオルフェーヴル以来、史上8頭目の3冠を目指して菊花賞に向かうのか、はたまた日本の悲願を目指して渡仏するのか。いずれにせよ、前途は洋々。数々の名馬が頂点に立った府中で、再び大きな夢が生まれた。

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