【高松宮記念】ゴスペル奏でるV曲走
「高松宮記念・G1」(29日、中京)
東の刺客が4度目の正直を狙う。前哨戦のオーシャンSを、直線一気の末脚で快勝したサクラゴスペル。過去3回は9、4、12着に敗れているが、尾関師は「今年のメンバーなら勝ち負けになる」と強気な姿勢を崩さない。脚質に幅を増し、初のビッグタイトルを狙う歴戦の7歳馬。“サクラ”勢としては、96年有馬記念(サクラローレル)以来、19年ぶりのJRA・G1制覇を目指す。
昨年のラピスラズリS2着以来、3カ月ぶりだったオーシャンSを、サクラゴスペルは直線一気に差し切り。ラスト1Fが16秒5も要するなど、美浦坂路での直前追いがチグハグな内容で7番人気の評価に甘んじたが、メンバー最速の上がり3F34秒2の末脚で2年ぶりの勝利を収めた。
「馬が落ち着いていたので、気合を入れようと併せ馬で追ったら掛かった。単走なら問題はないんです」と尾関師は、当時のケイコ内容を振り返る。その前走はプラス10キロと余裕残しの馬体だっただけに、今回は大きな上積みが見込めそうだ。
歴戦の7歳牡馬にとって、高松宮記念は4年連続の出走となる。初挑戦の3年前は9着に敗れたが、今年と同様にオーシャンSを勝って臨んだ2年前は4着と奮闘。全盛期のロードカナロアがレコードVを決めた中、コンマ3秒差に食い下がった。昨年は東京新聞杯7着からのステップで、調子が上がらないまま12着に敗れたが、一昨年と同じパターンで臨む今年は激走の再現が期待できそうだ。
「今の雰囲気なら輸送をしても馬体が減ることはなさそう。2年前のパフォーマンスを発揮できれば、今年のメンバーなら勝ち負けになる」とトレーナーは力を込める。相次ぐ開花の便りに後押しされ、満開の桜を中京で咲かせたいところだ。