年男・幸四郎がマンボと歩む王道

 メイショウマンボ(牝4歳、栗東・飯田明)とのコンビで昨年はオークスを勝ち、7年ぶりにG1制覇を決めた武幸四郎騎手(35)=栗東・フリー。自身初の年間G1・3勝と充実のシーズンを過ごした。年男として迎える14年はマンボとのコンビでさらなる飛躍を誓う。同じく年男の松山弘平騎手(23)=栗東・フリー=はG1初制覇を、またG1・3勝を挙げた須貝尚介調教師(47)=栗東=は世界の舞台での活躍を目指していく構えだ。

 常に自然体。気負いはない。昨年のオークスでメイショウマンボを駆って、06年菊花賞のソングオブウインド以来7年ぶりのG1制覇を決めた武幸だが、年男となる14年もスタイルは不変だ。

 「もう俺も年やからね(笑い)。若いころみたいに何勝したいとかはない」と話す。ただ数字にはこだわらない分、中身にこだわる。「勝てる馬に乗った時に取りこぼさないようにしたい。ある程度キャリアも積んできたし、さらに技術と精神面を磨いてチャンスが回って来た時にものにできるようにしないと」。目指すのは、勝負どころできっちり結果を残す“必殺仕事人”だ。

 幸四郎の13年は記録にも記憶にも残る1年だった。マンボとのコンビではオークスだけでなく秋華賞、エリザベス女王杯も勝ち自身初の年間G1・3勝も達成。大舞台での活躍が目立った。「G1はひとつでも勝つのが難しい。それをマンボで3つも勝たせてもらったんだからね。そんな年は今まではなかったから」と納得の表情で振り返る。

 マンボに初めて騎乗したのは1月の紅梅S(2着)。「いい馬だと思ったけど、正直こんなにG1をいくつも勝つような馬になるなんて思いもしなかった」というのが第一印象だった。こぶし賞、フィリーズレビュー(騎乗停止中で川田へ乗り代わり)を連勝し、4番人気に推された桜花賞では10着に敗れた。

 「1カ月に1度のペースで走っていて、しんどかったんだと思う。レース後、オークスまでしっかり間隔をあけたことで馬がたくましくなった。気持ちもどっしりとして、馬力もついた」

 そこから快進撃は始まった。9番人気のオークスでG1初制覇を飾った際には、松本好雄オーナーとともに涙を流して喜んだ。「オーナーにはデビュー戦(97年3月1日阪神1R=メイショウユリヒメ6着)から乗せてもらって、散々負けて迷惑もかけてきた。本当にお世話になっているし、どんどん恩返しをしないと」と力を込める。G1タイトルを3つ積み上げても決して満足することはない。

 古馬牝馬も撃破したことで、今や世代限定のNo.1牝馬ではない。当然、今後は強豪牡馬との戦いを見据える。「牝馬のタイトルは獲ってきたわけやし、そういう一線級を相手に頑張る年になると思う。厳しいのは承知の上。それでも馬はどんどん成長しているし、十分にやれると思う」。幸四郎&マンボのコンビが、14年の競馬界を盛り上げる。

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