カリスマ司会者、生放送中に暴行

 東海地区で人気を誇るカリスマ司会者が、生放送中の暴力行為で逮捕された。愛知県警千種署は30日、ラジオ番組のスタジオで共演タレントをマイクで殴り、けがを負わせたとして、宮地由紀男容疑者(67)=名古屋市瑞穂区初日町=を逮捕した。宮地容疑者は宮地佑紀生の芸名で活動中。事件が起きたのは東海ラジオが19年間放送している長寿番組「宮地佑紀生の聞いてみや~ち」で、同局はこの日、同番組の打ち切りを発表した。

 事件は生放送中のスタジオ内で起こった。

 宮地容疑者は、27日の午後2時55分ごろ、名古屋市にある東海ラジオのスタジオで、番組アシスタントを務める神野三枝(50)の左脚を数回蹴ったり、放送用マイクで唇を殴ったりして、10日間のけがを負わせた。関係者によるとスタジオ内には2人しかいなかったという。

 同番組は毎週月曜から木曜の午後1時から約3時間放送。27日も事件が起きた時間帯を挟み2人は午後4時ごろまで放送を続けた。28日以降、2人は番組に出演せず、代役が立てられていた。

 同署によると、神野側が28日に被害届を提出。「これまで威圧的な態度をとられることはあったが、暴力を受けたのは初めてだった」と話している。神野の所属事務所は「報道の内容はすべて事実です」とし、「事件以来、神野は心身共に衰弱している状態」といい、会見などの予定はないという。

 宮地容疑者は名古屋市出身で、大学卒業後にタレント活動を開始。「寿がきや食品」(愛知)のインスタントラーメン「スガキヤラーメン」のテレビCMにも出演するなど、地元で人気を誇る有名人。関係者によると、宮地容疑者は、体調を悪くした5年ほど前から言動に変化がみられ、放送中のトラブルもあったという。所属する事務所の担当者は「困惑している。事実とすれば申し訳ない」と話した。

 東海ラジオはこの日、宮地容疑者逮捕について、「極めて遺憾で残念に存じます」として「同タレントが出演してきた番組につきましては、本日から放送を打ち切ることが決定致しました」と発表して謝罪した。

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