石井光三氏死去「もう満足した人生…」

 コント赤信号、磯野貴理子(50)らを育てた芸能プロダクション「石井光三オフィス」会長の石井光三さんが6日午後6時5分、胆管がんのため東京都世田谷区の自宅で死去していたことが13日、分かった。83歳。東京都出身。10日に通夜、11日に告別式を近親者、所属タレントらで行った。喪主は妻秀子(ひでこ)さん(72)。「お別れの会」などは未定。所属タレントを代表してラサール石井(59)がこの日、都内で会見し、思い出を語った。

 独特の関西弁と人懐っこさで愛された、名物会長が旅立った。

 俳優だった石井さんは1963年、松竹芸能でマネジャーに転身。83年に石井光三オフィスを設立、コント赤信号、ピンクの電話ら喜劇人を多く育てた。

 ラサールがフジテレビ系「オレたちひょうきん族」で石井さんのものまねを披露したことから存在が広く知られ、タレントや俳優としても活躍。06年には社長を勇退、会長に就任した。

 次女で現社長の久美子さん(47)らによれば、がんが見つかったのは約2年前。手術を一度受け、その後は在宅で治療していた。

 亡くなる前日にはバナナやアイスクリーム、好物のおにぎりを食べた。亡くなった日は出勤する久美子さんを「頑張れや」と励ました。最後まで苦しむことはなく、秀子さん、長女(49)、三女(44)に見守られ、眠るように永眠した。

 久美子さんは「病気が見つかった時も『もう満足した人生やったから、このまますぐに逝けまへんか。大満足やねんけどなー』とお医者さまに言っていました」と、豪快だった父をしのんだ。

 通夜、葬儀は遺志に従い近親者ら“身内”で営まれた。亡きがらはトレードマークのジャンパー姿。ひつぎには好きなタバコやバナナ、チキンラーメン、家族と所属タレントが写った写真、寄せ書きが入れられたという。

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