安倍首相、トランプ氏と米大統領就任前に異例の直接会談

 9日、ニューヨークで米大統領選の勝利宣言をするトランプ氏
 官邸に入る安倍首相
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 米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏(70)は9日、対立が続いていた党指導部のライアン下院議長と協議し、来年1月の新政権発足へと動き出した。上下院選挙で過半数を維持した党との関係を修復し、環太平洋連携協定(TPP)などオバマ政権がレガシー(政治的遺産)とする政策を真っ向から否定する構えだ。日本の安倍晋三首相(62)はトランプ氏と電話会談。この日はTPP承認案と関連法案が衆院を通過したが、トランプ氏の勝利でTPPの発効は一段と困難になっている。             

 安倍首相はトランプ氏と米ニューヨーク(NY)で今月17日に会談する方向で調整を進めることで合意した。就任前の会談は異例の対応。電光石火のアプローチの裏には、クリントン氏勝利を見込んで、トランプ氏との関係構築が進んでいなかった実情がある。

 この日の電話会談でトランプ氏は「首相の今日までの業績を高く評価している。今後数年間、共に働くことを楽しみにしている」と安倍首相を持ち上げたが、17日の会談ではトランプ氏が選挙期間中、脱退を主張していたTPPや、在日米軍駐留経費(思いやり予算)の負担増を巡る協議が焦点となる。

 米議会で過半数を占める共和党の重鎮、マコネル上院院内総務は9日の記者会見で「TPPが年内に議会に提出されることは確実にない」と述べ、TPP発効は一段と困難になっている。

 安倍政権はTPPを成長戦略の柱と位置づけており、この日は衆院で与党が採決を強行したが、TPPは参加12カ国で最も経済規模の大きい米国の議会が承認しなければ発効しない。トランプ氏らにTPPの利点を粘り強く説明して翻意を促す方針だ。

 また、この日はトランプ氏に抗議する集会が全米各地で行われた。NY中心部ではトランプ氏の住居があるトランプタワー付近に数千人が詰めかけた。

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