プロ棋士がスマホ使って対局に勝つと訴えられる! 「行列」北村晴男弁護士

 将棋の三浦弘行九段(42)が対局中にコンピューターソフトを不正使用したとの疑惑が浮上し、日本将棋連盟から出場停止処分を受けた。三浦九段は「一切無い」と疑惑を否定し、「単なる憶測に基づいた誤ったもの」として処分の撤回を求めている。もし、プロ棋士が不正をして対局したら法的にどのような罪に問われるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞いた。

 プロの棋士が賞金や段位獲得などが絡む公式戦においてコンピューターソフトの力を借りること無く、自分の力だけで対局にのぞむのは当然のことであり、コンピューターの力で勝ったとなれば、「不法行為になることは間違いない」と北村弁護士は断じた。

 負けた棋士たちは得ることができた賞金、昇段したことによる経済的波及効果などの利益を失ったことになる。経済的損失に加えて精神的にも苦痛を受けたと言え、北村弁護士は「損害賠償を請求できるだろう」と述べた。複数年にわたっての不正となればその分請求額もかなりのものとなる。ちなみに将棋連盟のホームページによると、2014年獲得賞金・対局料で三浦九段は7位で2089万円。

 一方、真っ向否定する三浦九段は将棋連盟に対してどのような対抗手段があるのか。三浦九段は疑惑を持たれ、連盟が事情を聞くと休場を申し出たが期限までに休場届けを出さず、連盟は年末までの出場停止処分とした。疑惑が確定していない段階での処分に北村弁護士は「連盟からの事情聴取に誠実に回答し、調査に協力したのであれば処分を争う余地があるのでは」と感想を述べ、「当初は混乱もあって休場届けを出そうと思ったが、熟慮した上で必要ないと判断した可能性がある。処分の無効確認を求めて争う余地がある」と話した。

 三浦九段は今月7日、弁護士を通じて「まずは出場停止処分を撤回してから調査に当たるべき」との声明を発表。スマートフォンの調査を専門業者に依頼した結果、パソコンの遠隔操作などができるアプリはインストールされていなかったとしている。将棋連盟は10月27日、第三者による調査委員会を設置。出場停止処分の妥当性や対局中の三浦九段の行動などを調査している。

 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。

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