勘九郎男泣き 父が愛した地で親子共演
歌舞伎俳優の中村勘九郎(34)が29日、長野県松本市で、来年2月に行われる長男・波野七緒八くん(5)と次男・波野哲之くん(3)の初舞台を記念した「二人桃太郎記念田んぼアート」の田植えを行った。
2人の息子と、弟の中村七之助(33)とともに登場した勘九郎は、冒頭から「ありがとうございます。本当に、本当にうれしいですよ…」と、涙で声を詰まらせた。
松本は、12年12月に死去した父・中村勘三郎さんがこよなく愛し、11年7月には難聴からの復帰舞台を、12年7月には生前最後となる舞台を行った街。勘九郎は「父が愛した松本の、この美しい地に、子どもたちの初舞台と父が田んぼ(アート)になっています。今、心が震えるほど感動しております」と感無量の面持ちだった。
田んぼには、勘三郎さんが得意とした演目「鏡獅子」と、七緒八くんと哲之くんが初舞台で演じる「二人桃太郎」の図柄が稲で描かれ、4人は田植えも行った。勘九郎は「覚悟はしてたんですけど、予想以上にこみ上げてくるものがありまして…。父がずっと言っていた『感謝を忘れない』というのはこういうことなんだなと」と、涙の理由を口にした。