１２日に肺炎による多臓器不全のため８０歳で死去した、演出家の蜷川幸雄さんの葬儀が１６日、東京・青山葬儀所で営まれた。

　俳優の市村正親（６７）は、妻で女優の篠原涼子（４２）と夫婦そろって参列した。２００１年の「ハムレット」共演で親密となり結婚した２人にとって、蜷川さんは“愛のキューピッド”だった。

　市村は「僕は５０歳から蜷川さんとお付き合いさせてもらった。ニーナ（蜷川さん）の情熱は、僕の中に同じように走り続けます。『ハムレット』のときは妻と出会うきっかけになった」と公私にわたる恩義を示した。

　「僕にとっての演劇の神様」と表現した蜷川さんとは、亡くなる２カ月前に見舞ったのが、最後の対面になった。「酸素マスクはしてましたが『リハビリして演出するから』と話してたのに、こうなってしまって…。蜷川さんの魂を受け継ぎたい」と誓っていた。