神田コラム(6)スキーで犯人を追った
【ナンダカンダで40年】舘ひろしと共演したドラマ「クロスロード」(NHK BSプレミアム)も3月で終了しました。演技の上で苦しんだこともありましたが、終わってみればノーサイド。演じることの難しさに直面したことで、40年間の役者人生について、いろいろ考えさせられる機会にもなりましたね。そこで今回は一本、思い出のドラマに触れてみたいと思います。
1976年に石原プロモーションが初製作した日本テレビ系「大都会 闘いの日々」での俳優デビューから5年目の80年。僕は同局系の「太陽にほえろ!」に“ドック刑事”として出演します。「太陽-」といえば、“ボス”の石原裕次郎さん。石原さんには「あの番組を壊してこい」と送り出されました。
それまでの「太陽-」の若い刑事といえば、「走る」イメージがありました。でも、僕は走って犯人の車は追いかけない。バイクがあればバイクに乗るし、自転車があればそれに乗る。合理的で、無理なことはしない(笑)。そういう意味で、僕は過去の価値観を“壊す”ってことをやっていたのかもしれません。たとえ犯人が雪山に逃げ込んだとしても、スキーで追う方が早ければ、スキーで追い詰めればいい。そしたら本当に雪山に行くことになりました。
81年の3月に2週続けて、志賀高原を舞台にスキーで犯人を追う作品があったんです(※)。3週間くらい行ったのかな。相手の方は吹き替えがいるけど、僕は1人じゃないですか。僕は車もそうですけど、ずっとスタントを使わないんです。監督は「片足で滑ってください」って…、言うのは簡単でね(笑)。無理はしないと言いながら、あの時はちょっと無理しちゃいました(笑)。早いものであれから35年です。
【注釈】※第449話「ドック刑事 雪山に舞う」(81年3月20日放送)と後編「雪山に斗(たたか)う」(同27日放送)。ヒットマン(西沢利明)が暴力団組長の息子を狙い、スキー場に潜入。休暇で現地にいたドックがスキーで追跡し、最後は一騎打ちする。七曲署から応援に駆けつけたスニーカー(山下真司)とロッキー(木之元亮)はスキーが苦手で、雪の中では無力。水を得た魚ならぬ“雪を得た神田”が孤軍奮闘した。ちなみにドックの愛称は医学部(ドクター)中退の設定に由来。
