国民的ロックバンドのサザンオールスターズが１８日、２２年ぶりとなる日本武道館公演を行い、全国ツアー「おいしい葡萄（ぶどう）の旅」を締めくくった。中盤ではリーダー・桑田佳祐（５９）のルーツであり、同所を“ロックの聖地”たらしめた英ロックバンド「ザ・ビートルズ」へのオマージュとして「ＨＥＬＰ！」を完全コピーし、ビートルズ風に自己紹介するなど、１９９３年２月以来となる聖地を沸かせた。　　　　　

　武道館に戻ってきたヤァ！ヤァ！ヤァ！とばかりに、サザンがビートルズになった。

　中盤、桑田は「デビューしてから武道館でやるのが夢でした。一つにはザ・ビートルズが４９年前、私が小５のときに来日して…」と、伝説のバンドについて切り出した。

　６６年にビートルズが来日公演を行った舞台で、メンバーはビートルズ風に自己紹介。ドラムスの松田弘（５９）は「サザンのリンゴ・スターです」、キーボードの原由子（５８）は「ジョンの恋人、小野妹子です」と、武道館ならではの空気を楽しんだ。

　極めつけは桑田の「曲、やってみようか！！」のかけ声で始まった「ＨＥＬＰ！」。熱唱を終え、ビートルズ風に９０度のお辞儀を披露すると、桑田は「これが１番楽しかったりして」とおどけた。

　９３年２月に全国ツアー「歌う日本シリーズ」の最終公演を行って以来の凱旋。日本屈指の集客力を誇る国民的バンドに成長したことで関東近郊でのライブはより大きな会場で開催されるようになり、２２年もの歳月が流れてしまった。前日１７日とこの日で１万２０００人ずつを動員。プラチナ化したチケットは１人１枚に限定され、連れと並びになれない異例の措置を取った。

　４月に開幕した１０年ぶりの全国ツアーは、５大ドームを含む１１カ所２３公演で過去最大の５０万人を動員。松山の愛媛県“ぶどう”館で始まった「葡萄の旅」は、日本“ぶどう”館での全３７曲、４時間近い熱演で、盛大にフィナーレを迎えた。