たけし 自作以外で12年ぶり主演
タレント・ビートたけし(68)が、ハリウッドでも活躍するウェイン・ワン監督(66)がメガホンを取った日本映画「女が眠る時」(来年春公開)で主演することが12日、分かった。
たけしが自身の監督作品以外で主演するのは2004年の「血と骨」(崔洋一監督)以来、12年ぶり。たけしは「久々に緊張したが、いい勉強になった」と笑顔で語った。
ベルリン国際映画祭で銀熊賞を取った「スモーク」(95年)などで知られるワン監督が、初めて日本映画のメガホンを取った。スペインの小説を原作に、リゾートホテルで、若く美しい女と、彼女に執着する初老の男のカップルに出会った小説家が、狂気の世界にいざなわれる姿を描く。
初老の男にたけし、その相手に忽那汐里(23)、小説家に西島秀俊(44)、その妻に小山田サユリ(年齢非公表)という実力派がそろい、6月15日から7月11日まで撮影が行われた。
俳優・ビートたけしにとって、12年ぶりとなる映画主演は、ワン監督の強い希望で決まった。たけしは「私はただ情けない変質者の役。作品に関われただけで十分ありがたい」と笑わせたが、撮影では「ここにセリフを入れたい」など自らアイデアを出し、日本語特有のニュアンスを伝えるなど、「映画監督・北野武」の顔ものぞかせた。撮影内容も随時変更され、2人の世界的監督の英知を集めたセッションのような現場となった。
たけしは「自分のキャリアの中でも久々に緊張した。手探りの状態だったが、やってみて、役者としても監督としてもいい勉強になった」と充実の表情。ワン監督は「たけしさんはこの作品にとってもう1人の監督だった」と褒めたたえた。
たけしは「(監督は)さすが芸術家だなと。オレの撮り方とやや似ているけれど、オレは適当。やってることは同じようなことだけど、キレイな女優とソープ嬢の違いみたいなもんです」と“たけし節”でワン監督へ賛辞を贈った。
