竹下景子 震災20年「言葉にならない」
6434人の尊い命を奪った阪神・淡路大震災の発生から、17日で20年。神戸市に本社を置くデイリースポーツでは、地元にゆかりの人たちからのメッセージを届けます。
震災を題材にした詩の朗読イベントを通じて、神戸に寄り添ってきた女優の竹下景子(61)。
竹下が詩の朗読コンサートに携わったのは、知人のピアニスト・林晶彦氏に「力を貸してほしい」と依頼されたのがきっかけだった。震災当時、芦屋市内にいとこが住んでおり、事態の深刻さを感じていたことが、決断を後押しした。
「震災直後は連絡が取れず、3日後にようやく連絡がついたんです。わたしは松竹の大船撮影所のゆったり、のんびりした空気の中にいたのに、電話の向こうで救急車のけたたましい音がしている。非日常を感じさせる雰囲気で大変なことが起きていると実感しました。林さんにお話をいただく前からそういう思いもあったので、協力できるならぜひと思ったんです」
朗読イベントに参加するため神戸を訪れた99年、実際に詩を作った人に直接会って話を聞いた。それぞれが抱える「言葉にならない思い」が心に響いた。
「当たり前ですけど、お一人お一人が違う体験をされてるんですよね。データで数字に残っているものとは違う、被災された方の数だけ震災があったというのを感じました」
「つらい体験を詩として文字につづるというのは、なかなかできないことらしいです。それができて、やっと、心の傷がある程度、癒やされた気持ちになるようですね。だから朗読のときに渡されるシナリオは、普段演じているフィクションとは違う言葉が寄せられていると思っています」
東日本大震災の発生翌年の朗読イベントでは、東北の被災地への思いをつづった詩もあった。「皆さんが当時の自分のことを思い出して、何とかしたいと思ってらっしゃるのが伝わってきました。同じ思いを共有してるんですよね」と、神戸の人たちの気持ちを代弁する。
今年は3年ぶりに神戸で朗読イベントを行う。17日に放送される震災を題材にしたサンテレビのドラマ「神戸在住」にも出演し、震災を知らない若者に、被災経験を語る女性を演じる。
ドラマの収録では、初めて慰霊と復興のモニュメントがある東遊園地も訪れた。「正直、あんな街の中にあるとは思っていませんでした。皆さんが震災を胸の中にしまいつつ、今日という日を生きているんだと感じました」
神戸と深い縁を結んだ竹下は語る。
「この経験をどう語り継いでいくのかが大事。神戸以外でも防災などについて語り継いでいかないといけないですよね。かつて誰も経験していないようなことを経験しているんだから、今後にそれが生かされる部分もあると思うんです」
自身の役柄と重ね合わせるように、震災を風化させないことの大切さを説いた。
