加山雄三“恩人”岩谷さんに深い感謝

 「愛の讃歌」「君といつまでも」など多くのヒット曲を手掛けた作詞家・訳詞家で文化功労者の岩谷時子(いわたに・ときこ=本名・トキ子)さんが25日午後3時10分、肺炎のため都内の病院で死去していたことが28日、分かった。97歳。葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日お別れの会を開くという。死去の報を受け、加山雄三(76)ら生前親交のあった多くの芸能人が、岩谷さんを悼んだ。

 岩谷さんとのコンビで「君といつまでも」「お嫁においで」など数々のヒット曲を世に送った歌手で俳優の加山雄三(76)は「岩谷さんにお会いしていなかったら、今の僕はない。作品のほぼ全てと言っていいほど、岩谷さんが作詞をしてくださいました。偉大な方で、僕は何も伝えていないのに、思い描いた以上の言葉を詞にしてくださいました」と、深く感謝した。

 「恋の季節」を歌ったピンキーとキラーズのピンキーこと歌手・今陽子(61)は「デビューした時、体は大きいけれども幼い、という意味を込めて『デカベイビー』というニックネームをつけていただいて以来、岩谷さんを音楽における母親と慕っていた」とショックを隠せず。「岩谷先生が越路吹雪さんとパリのカフェを訪れた時に生まれたのが『恋の季節』の『夜明けのコーヒー』というフレーズだそうです」と、秘話を明かした。

 また、岩谷さん訳詞のミュージカル「ミス・サイゴン」に出演した俳優・市村正親(64)は「『お時さん』って呼ぶと、はにかんだ笑顔は僕の宝物です。大切な大切な詩人を亡くしてさびしい」と、悲しみをあらわにした。

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