宮崎駿監督引退 ジブリ社長が発表
「となりのトトロ」(1988年)「千と千尋の神隠し」(2001年)などで世界的に知られるアニメ映画の巨匠・宮崎駿監督(72)が引退することが1日、明らかになった。
最新作「風立ちぬ」(公開中)がコンペティション部門に出品されているイタリアの「第70回ベネチア国際映画祭」の公式会見で、スタジオジブリの星野康二社長(57)が発表した。
公式上映前の会見の最後に、星野社長が「『風立ちぬ』を最後に宮崎監督は引退することを決めました」と、本人不在で突然の引退宣言。世界各国のメディア関係者も騒然となった。宮崎監督は6日に都内で会見する予定で、そこで自ら心境を語ることになりそうだ。
宮崎監督は日本映画の興行収入で歴代トップを独占。「千と千尋‐」で「第75回米アカデミー賞」長編アニメ賞、「第52回ベルリン国際映画祭」金熊賞を受けるなど、国内外で名声を響かせている。1963年に東映動画(現東映アニメーション)に入社し、映画「パンダコパンダ」(72年)やテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」(74年)「母をたずねて三千里」(76年)の製作に携わった。79年に「ルパン三世 カリオストロの城」で長編映画監督デビュー。85年にスタジオジブリを設立し、その後はヒット作を連発した。
アニメを子どもだけでなく大人も見ることのできる映画のジャンルとして確立し、昨年には文化功労者にも選ばれた。
