ロックバンド・サザンオールスターズが３１日、ボーカル・桑田佳祐（５７）の出身地である神奈川県茅ケ崎市の茅ケ崎公園野球場でライブを行った。

　野球少年だった桑田は今年５月２７日、母校・茅ケ崎第一中学校で行われた野球部ＯＢ戦にお忍びで参加していた。

　５年ほど前から同級生との間で「試合をしたいね」と盛り上がっていたが、桑田のスケジュールが取れたことで、ようやく実現した。

　試合に参加した同級生によると、中学時代にエースだった桑田が先発。この日のために新調した、当時の野球部のデザインを模した背番号「１」のユニホームにそでを通してマウンドに立ったという。

　同級生たちは桑田の体調を心配し、途中で声をかけたものの、桑田は「大丈夫、大丈夫」と元気に応じ同校の現役野球部員を相手に予定の５回を投げ切ったという。試合には７対９で敗れたが、桑田は「楽しかったね」と、４４年ぶりに仲間と踏みしめたグラウンドの感触を楽しんだ。

　サザン復活の発表があったのは、その約１カ月後。桑田は「（復活を）言わなくて悪かった」と黙っていたことを詫びるとともに、野球部のメンバーをこの日のライブに招待した。この粋な計らいに、同級生は「行動やしぐさは、昔から全く変わらないよ。お調子者だけど、いたずらやいじめ、人が嫌がることは決してしない。だから大勢の人に愛されるんでしょうね」と語った。野球場の入り口に飾られた野球部一同からの祝い花が、晴れの日に彩りを添えていた。