映画「風立ちぬ」の喫煙シーンに苦言

 全国で大ヒットを記録中の宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」に喫煙シーンが多いことを、医師らでつくるNPO法人「日本禁煙学会」(東京)が問題視、スタジオジブリに対し、たばこの描き方に配慮を求める文書を14日までに送った。

 映画は関東大震災から第2次世界大戦までの日本を舞台に、ゼロ戦の設計者・堀越二郎をモデルにした青年の生き様を描いている。

 学会は「未成年の観客も多く影響も大きい」と、12日付で書かれた要望書をホームページで公開した。

 文書では、作品の中で主人公の教室や職場、ホテルのレストランなど喫煙シーンが「数え上げれば枚挙にいとまがない」と批判。特に、肺結核で寝込む妻の手を握りながらたばこを吸う場面については「夫婦の心理を描写する目的があるとはいえ、他の方法でも十分表現できたはず」とした。

 また、学生がたばこを友人にせがむ場面については「未成年者の喫煙を助長し、国内法の『未成年者喫煙禁止法』に抵触するおそれがある」と指摘。「映画制作にあたってはたばこの扱いについて、特段の留意をされますことを心より要望いたします」と結んだ。

 同会の作田学理事長は「未成年者の喫煙を助長する。過去の出来事とはいえ、子どもたちへの影響は無視できない」と非難した。

 お盆休み期間のこの日も、「風立ちぬ」を上映している大阪市内の映画館は盛況だった。映画ファンは本紙の取材に対し「物語の時代背景が今と違うので、喫煙シーンが多いのは仕方がないのでは?」(大阪市51歳・女性)、「監督がヘビースモーカーだからかな。喫煙のシーンを描く必然性は感じませんね。子どもも見る映画だし、今の時代、配慮があっても良かったと思う」(堺市35歳・女性)と賛否両論。ネット上でも意見が割れており、学会には「表現の自由」などといった苦情も寄せられているという。

 スタジオジブリは14日は休みのため、公式コメントなどはしていない。

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