小田和正の東北ツアー 涙でスタート

 シンガー・ソングライターの小田和正(65)が14日、宮城県・仙台サンプラザホールで東北限定ツアー「その日が来るまで」をスタートさせた。

 東北大学工学部建築科出身で大学5年間を仙台で過ごした小田。東日本大震災直後から被災地の復興への思いを口にしていたが、この日のライブでは歌いながら感極まり涙。

 「自分ができることは元気が出るような歌を書いて届けること」と2千人のファンに約束した。東北ツアーは宮城、岩手、福島の3会場6公演で31日まで。

 震災の復興を願って作り、ツアータイトルにもなっている曲「その日が来るまで」(4月24日発売)を歌いながら、小田は涙で言葉を詰まらせた。あふれてくる想いが止まらないようだった。

 昨年4、5月の全国ツアーの東北公演で「また出来るだけ早く戻ってきたい」と話した約束を1年で果たした小田は、「自分にできることは、元気が出るような、素敵な想いになってくれるような、そんな曲を書いて届けることだと思っています。みんな身体に気を付けてください。またすぐ戻ってきちゃうかもしれません」と客席に語りかけた。

 横浜市出身ながら、広瀬川と河岸段丘(仙台市街地に発達する高さの異なる平坦地と坂道)に魅せられ、仙台市の東北大に進学した。今も東北の仲間との交流は続いており、仙台を「第2の故郷」と呼ぶ。昨年はスケジュールの合間をぬって、母校・東北大で初のライブを行い、知人がいる岩手県大船渡では復興ライブも行った。

 昨年5月、震災の1カ月半後から続いた全国ツアーの最終公演(横浜)では「日々被災地の人達を思い、いつかきっとその日(復興の日)が訪れると信じて。僕はぜひとも日本が復興していくところが見たい」と涙をにじませていた小田。東北ツアーは念願だった。2時間半を超えたこの日のライブでは、少しでもファンの近くへ、という思いで「ラブ・ストーリーは突然に」歌唱中にステージを降り、客席でファンと触れあう場面も。ファンは小田の熱い思いを間近でしっかりと受け止めていた。

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