高峰秀子さんの未発表エッセーを発見

 高峰秀子さんが書き残していた旅日記(斎藤明美さん提供)
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 「二十四の瞳」(1954年)「浮雲」(1955年)などに主演した日本映画を代表する女優で、エッセイストとしても活躍した高峰秀子さん(1924~2010年)の未発表のエッセーが、東京都港区の自宅で見つかったことが18日、分かった。

 1958年に夫で映画監督の松山善三さん(87)と欧州を旅した際の旅行記で、「旅日記 ヨーロッパ二人三脚」のタイトルで新潮社から30日に刊行される。

 高峰さんの養女で文筆家の斎藤明美さんによると、このほど発見された「旅日記‐」は書棚に保管されていたノートの一冊。表紙に「ヨーロッパ 二人三脚」の題名と、男女が二人三脚をしている絵が描かれていた。

 旅行記は、ベネチア国際映画祭に出席するために日本をたった同年8月24日から、フランスやドイツ、スペインなどを回って帰国した翌年3月28日までの約7カ月間。

 各地の食べ物や買い物、映画の感想が淡々とつづられ、気に入らない作品は「チンプきわまりなき」(原文ママ)と一言。パリで画家の藤田嗣治(1886~1968年)に絵を描いてもらうなど、幅広い交友関係もうかがえる。

 また、体調を崩した松山さんを残して食事に招かれ「善三にたべさせたかった。残念だった」と記すなど、夫への飾らない愛がにじむ。

 当時34歳だった高峰さんは、「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年)「あらくれ」(同)「張込み」(1958年)、そしてこの年のベネチアで最高賞である金獅子賞を獲得した稲垣浩監督「無法松の一生」(同)など、代表作への出演が続いていた。

 「こうしてパリでぼんやりしてる事の何とすばらしい事か。帰りたくない」と、率直な気持ちをつづっている。

 斎藤さんは「日常を書き留めた文章に、深い心情が表れている。女優として一番いい時期に休暇を取り、夫と過ごす幸せをかみしめているようです」と話している。

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