吉田拓郎 6年ぶりのツアー“完走”

 シンガー・ソングライターの吉田拓郎(66)が6日、東京・NHKホールで、コンサートツアーの最終公演を行った。2007年の全国ツアーを体調不良でリタイアし、09年も慢性気管支炎の悪化で無念の途中キャンセル。3年ぶりの“復活ツアー”では3都市4会場をまわって万感のフィナーレを迎え、06年以来6年ぶりの“完走”を果たした。

 3年前はたどり着くことができなかった場所で、念願のゴールテープを切った。『生涯最後の全国ツアー』と銘打っていた、09年ツアーの千秋楽会場でもあったNHKホール。紅白歌合戦の会場としても知られているとあって、拓郎は「白組代表ですよ。北島三郎さんと同じ楽屋だそうで、いい気分ですよ。は~るばる来たぜ、函館ぇ~。さぁ終わりだ!!」とご機嫌にジョークをさく裂させた。

 09年は10公演をこなす予定だったが、慢性気管支炎の悪化で自宅療養を余儀なくされ、6公演をキャンセルした。07年の全国ツアーでも、ぜんそく性気管支炎のために途中リタイア。今回は10月22日から東京、横浜、大宮の3都市をまわり、4公演のみの小規模な首都圏ツアーとはいえ、6年ぶりにやり切った。

 03年に肺がんを公表して以降、数々の病に悩まされた。ジムで入念な体力づくりをしてからツアーに臨んだ。ステージでは体調面の不安を感じさせることはなく、ギターをかき鳴らし代表曲「春だったね」、「全部だきしめて」など22曲を熱唱。MCでも「これくらい(4公演)がちょうどいいよ。飽きっぽい性格だから。5本目が入ると手抜きになって、名古屋や大阪にも行くとイヤになる」と軽口をたたいた。関係者によると、来年以降のライブの予定は白紙で、今後検討していくという。

 アンコールのラストでは「ありがとう~!!」と絶叫。客席には和田アキ子(62)、長渕剛(56)、南こうせつ(63)の姿もあった。日本の音楽シーンを代表する面々も、ファン3600人とともに、“不死鳥拓郎”の歌声に酔いしれていた。

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