佐々木VS関塚、理想のリーダーは好対照

 男女そろって4強入りを果たし、メダル獲得が見えてきたサッカー日本代表。若きサムライブルーを率いる「セキさん」こと関塚隆監督(51)がクールなのに対して、なでしこたちから「ノリさん」と呼ばれる佐々木則夫監督(54)は癒やし系だ。タイプは好対照ながら、ともに選手からの信頼が厚い理想のリーダー2人の素顔をのぞいた。

 高校時代に全国制覇や4強入りを経験し、日本リーグ(当時)でもプレーした2人。腰の故障を乗り越えて新人王に輝いた関塚監督は自らを「雑草魂」と表現。一方で佐々木監督はたばこを吸い、酒を飲む「チンピラ選手だった」。引退後はそれぞれ、JリーグやJユースで指導者としてのキャリアを重ねた。

 故本田宗一郎氏や故松下幸之助氏ら名経営者にまつわる本を読み、世界と戦う集団をつくるための組織論を学ぶ関塚監督は「大局を見て判断することを心掛けている」。ただ、試合中は激しい抗議で退場処分を経験するなど、熱血漢の一面も見せる。

 佐々木監督のチームづくりはユニークさが売りだ。2008年の北京五輪。試合直前、緊張する選手にかけた言葉は「忘れ物はないか?」だった。大爆笑したチームは伸び伸びと力を発揮し、史上初の4強入りを達成。おやじギャグを連発し、娘世代の選手たちを明るい雰囲気で包む。

 草食系男子についての著書があるマーケティングライターの牛窪恵さんは「女子ほど期待されていなかった男子代表をうまく鼓舞している」と関塚監督を評価。恵まれない練習環境からはい上がってきたなでしこについては「肉食系女子にとって、ピンチの時に和ませてくれる佐々木監督はピッタリ」といい、「どちらも最高のパフォーマンスを発揮できる組み合わせ」と期待を寄せる。

 試合中、ネクタイをきりりと締めて戦況を見守る関塚監督と、ジャージー姿で笑顔も印象的な佐々木監督。準決勝の舞台は、4月の抽選会で訪れ、「2人で立とう」と誓い合ったサッカーの“聖地”ウェンブリー競技場だ。

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