これぞ三枝流!桂文枝、新ネタ襲名披露

 桂三枝改め六代桂文枝(69)の襲名披露公演が16日、大阪・なんばグランド花月で行われた。文枝は襲名という一世一代の舞台ながら、三枝時代の代名詞ともなった創作落語をネタ下ろしで初披露。常に斬新なスタイルを打ち出し、時代をリードしてきた文枝らしい高座を展開し、「皆さまに育てていただいた三枝を胸に、これから文枝として頑張っていきます」と言葉に力を込めた。

 晴れの舞台に選んだのは、この日のために作った創作落語だった。

 借家からマンションへの引っ越しを機に、愛犬・サニーを手放す男性の姿を描いた創作落語「さよならサニー」。

 犬の名前に若手時代からの自身の愛称を重ね、セリフにも「今まで楽しいことも、しんどいこともサニーと一緒やった。ありがとう、サニー」と三枝への感謝と惜別の思い、新たな世界への旅立ちを噺(はなし)の中に込めた。

 クライマックスでは涙をにじませながら大熱演。「これで桂三枝とお別れするんだという思いを込めた。ただ、三枝がなくなるわけでなく、三枝がパワーアップして文枝になるんだととらえたい」と作品への思いをしみじみと語った。

 襲名などの大舞台では自身の十八番ネタを演じるのが普通。だが、これまでも独特の軽やかな口調やポップなキャラクター、キャッチーなギャグなどを盛り込んだ新しいスタイルで時代をリードしてきた文枝らしく、これまでの生きざまを投影した新ネタでの襲名公演となった。

 文枝として初お目見えとなった口上には笑福亭松之助(86)、桂春團治(82)、笑福亭仁鶴(75)、三遊亭圓歌(83)、桂歌丸(75)、桂ざこば(64)ら東西の名人がズラリ。

 幕が上がるや、鳴りやまぬ拍手の嵐。ざこばが「もう、よろしいで」と笑いで観客にストップをかけるまで1分近く続いた拍手に、文枝への大きな期待が映し出された。

 この日は69回目の誕生日。「これから文枝として生きていきます」と文枝は大きな節目で、未来への思いを語った。

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