【9】五輪選手輩出へ母校の客員教授に

 「室田淳の鉄人トーク・第9回」

 昨年4月、プロゴルファーのほかに、もう一つ、新しい肩書が加わった。母校の日体大で客員教授を務めることになったんだ。

 皆さんもご存じの通り、来年のリオデジャネイロ五輪からゴルフが正式種目として行われることになった。そして2020年は東京での開催です。

 日体大はこれまで数多くの五輪選手を輩出し、メダル獲得数も大学別ではナンバーワンを誇っている。東京五輪では何とかゴルフ競技でも日体大から日本代表を送り出したいということになり、OBである僕に声がかかったというわけです。

 ただ、昨年に関しては試合のスケジュールがびっしり詰まっていて、大学教授としての仕事はほとんどできなかった。松浪健四郎理事長からも「まずは自分のゴルフを一生懸命やってください」と言っていただき、試合の方に専念させてもらったんだけど、今年は何とか大学にも足を運んで講義したり、ゴルフ部の指導ができたらいいなと思っている。

 日体大出身のプロゴルファーといえば、自分のほかに伊沢利光、細川和彦、平塚哲二らがよく知られているかな。いい選手は多いよ。でも、高校の有力選手は、以前なら日大へ進む選手が圧倒的に多かったし、今は東北福祉大がすごいな。松山君をはじめツアーでも賞金ランク上位の選手に東北福祉大出身がたくさんいる。

 ただ、東京五輪まであと5年あるし、そこを目指して、うちの大学もしっかりと指導体制を整えていけば、ひょっとしたら松山君みたいな、すごい選手が入ってくるかもしれない。僕が客員教授になったことで、ゴルフ部に関する問い合わせもきているそうだ。

 個人的な考えとしては、九州に付属高校を作ったらどうかと思っている。日が長いし、気候も温暖なのでゴルフするにはとても恵まれた環境だからね。高校からの一貫教育は絶対に必要だと思う。高校の時にしっかりとした技術を身につけ、大学ではメンタルを中心に強化していくぐらいでないと、今の時代、ゴルファーで大成するのは難しい。

(協力 ザ・リッツ・カールトン大阪)

 ◆室田 淳(むろた・きよし)1955年7月26日、群馬県出身。太田高を経て日体大に進み、19歳からゴルフを始める。27歳でプロテストに合格し、91年のブリヂストン阿蘇オープンで初優勝。ツアー通算6勝。昨季は日本オープンで6位に入るなどし、史上最年長59歳にして賞金シードに返り咲いた。シニアツアーでも通算12勝を挙げ、06、07、13年と3度賞金王に輝く。家族は妻と3女。180センチ、80キロ。サメジマコーポレーション所属。

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