ジャンボ尾崎「今年の引退はないということ」【一問一答】

 男子ゴルフの国内ツアー通算94勝で永久シード選手のジャンボ尾崎こと尾崎将司(69)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=が引退を否定し、来季もツアーで戦うべくトレーニングに入ったことを明らかにした。今季は予選落ちと棄権を繰り返し、シーズン終盤には引退が取りざたされていたが、70歳を迎える来季は「最後の年にする決意で」進退を懸けて臨むという。独占インタビューで現在の心境を語った。

 ◇  ◇

 -重大な局面とは。

 「レギュラーツアーで戦うには、戦うだけの条件がある。その条件が今年まで全然満たされていない。そういう状態で、どうなんだろうかとか考えるわけだよ」

 -その条件とは。

 「俺の場合、一番は飛距離だよ。レギュラーツアーでは飛距離がないと、とてもじゃないが戦えない。コースは変わってないのに“昔は短かったのに、こんなに長いのか”と思うこともある。それだけ自分の飛距離が落ちたということだよ。せめて、あと20ヤードは飛ばないと…」

 -体力面は。

 「もちろん、条件の中に入っている。体がイマイチの状態ではそういうこと(飛距離アップ)だって望めない。体の力は結局下半身の力だからね。ここ10年間、(腰椎の)狭窄(きょうさく)症によって右脚の神経が痛み、長く歩くとだめだし、下半身の力が落ちた。腰痛のほかに背中も痛くなるし…。考えてみれば、50年ゴルフをしているから自然と筋力、筋肉は落ちるわけだよ」

 -引退だ、撤退だ、と言われている。

 「実際、考えたよ。引退して何をやるか…。田舎(徳島県海陽町)に帰ってのんびりと余生を送ろうかとか、引退して何をやるかとか。自分の人生、今の時点ではある程度の満足感はある。でも、それで終わることが自分の人生で最高の結論であるかと考えた時に、やはり未練がある。もうちょっとやってみたいなとね。俺みたいな性格の人間は、自分のわがままな人生を通したいし、ゴルフ以外できない、やりたくもないんだ。そうすると自分の一番やりたいことを再チャレンジする方が、自分の人生の満足度が上がるんじゃないかと感じる」

 -ということは…。

 「今年の引退はないということ」

 -では、来季もツアーでプレーを。

 「だから、そこが難しいところだ。(ツアーで戦えるという)ある程度の条件が満たされたと感じないとね。それを今やっている」

 -どんなことを。

 「下半身も衰えているし、柔軟性も欠けてきている中で、一番自分の得意とする、強いところはどこかを探した。右手首だよ。野球をやってきた積み重ねでスイングしてきたが、最近はそれが生かされてなかった。意識的に自分の強いところを生かす。それをやっている」

 -ほかには。

 「強く、速く振るのが飛距離アップの条件だから、どこを使えば一番ヘッドスピードが上がるかとか、自分に合ったシャフトは何かとか。硬さ、長さ、バランスを研究している」

 -成果は。

 「打っていて飛距離アップを感じ始めてきた。はっきりとね。別人の感じになりつつある。飛距離がカムバックしてきたとなれば、気持ちは前向きになるね。明るい兆しを感じている」

 -今後は。

 「それ(練習)がどういうふうな結果になるかだね。2017年を最後の年とする決意で今年のオフは臨む。ラストチャンスだな」

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