彩夏、首位発進 故障から華麗なる復活

 「ニトリレディース・第1日」(28日、小樽CC=パー72)

 美人プロの松森彩夏(21)=スターツ=が5バーディー、2ボギーの69で回り、成田美寿々、渡辺彩香、原江里菜、イ・ボミ、全美貞と並んで首位発進。左手親指の故障が回復し、残り2日間も好調なショットを武器に悲願のツアー初優勝を目指す。前週優勝の服部真夕はイーブンパーの18位、地元北海道出身の菊地絵理香、藤田光里は3オーバーの57位と出遅れた。

 スリムな体をヒラリと回転させて、松森が鋭いショットを連発した。インスタートの10番パー5で第3打を2メートルにつけてバーディー発進すると、圧巻は407ヤードの18番パー4。ピンまで残り199ヤードの第2打を5Wで打ち、50センチの“ベタピン”につけて難なくスコアを伸ばした。

 「前週に比べショットの手ごたえがいいのでバーディーが取れた。今日は楽でしたね」

 7位に入った6月のニチレイレディース以降、初の海外試合出場となった全米女子オープンを含めて出場6試合はすべて決勝ラウンドに進めなかった(5試合予選落ち、1試合棄権)。原因は左手親指付け根のけんしょう炎。早期回復を願って5、6カ所の医療機関を訪ねて歩いた。「遠くは栃木県、茨城県のお医者さんにいきました」。先週からようやく快方に向かい、同時にクラブのシャフトを重めに替えたことで、本来のショットが打てるようになった。

 「痛いときはクラブを振り切れなかったので、縦の距離が5ヤード合わなかった。まだ患部にテーピングはしていますが、今週はしっかり振れるので縦の距離が合っている」

 全米女子では海外選手のレベルの高さに触れ「自分はまだまだ」と志を高くした。4月のフジサンケイレディースで1打差で優勝を逃した悔しさも忘れていない。この日はそれ以来の初日首位発進。「目標はシード確定を優先に初優勝」。けがを克服しメンタルも成長中の美人プロ。北の大地ではばたくための助走が力強く始まった。

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