玉正鳳が悲願の十両昇進当確 5部屋渡り歩いた苦労人 義兄は玉鷲
「大相撲初場所・千秋楽」(22日、両国国技館)
東幕下筆頭の玉正鳳(29)=片男波=が十両照強(伊勢ケ浜)をはたき込みで撃破し、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で新十両を確実とした。低く当たった相手に押し込まれたが、回り込んで土俵際、残して仕留めた。
3勝1敗と王手をかけながら2連敗。師匠の片男波親方(元関脇玉春日)、義兄でもある兄弟子、幕内玉鷲から励まされ、助言をもらい執念の1勝。「早く勝ち越したかったけど2連敗して緊張しかなかった」と、笑顔で振り返った。
モンゴル出身。2011年秋場所で初土俵を踏み13年目。幕下上位に定着しながら体重116キロとなかなか増えず、あと一歩で昇進を逃し続けた。入門時の高島部屋から春日山、追手風、中川、片男波と5部屋を渡り歩いた。師匠と、玉鷲には「うれしい、この気持ちを報告したい」と、声を弾ませた。
初めて15日間の戦いとなる来場所に向け「きょうから稽古します…、今のはなしで」とジョークも口にしながら、「力を付けないと。体重を増やして前に出たい。できればはたきをしないように」と、意気込んだ。