宇良が居反りさく裂! 16場所ぶり十両復帰勝負場所で“代名詞”「ついに出た」

 「大相撲11月場所・5日目」(12日、両国国技館)

 2度の右膝手術を乗り越え、18年初場所以来16場所ぶり十両復帰した人気業師の宇良(28)=木瀬=が旭秀鵬を相手に奇手「居反り」をさく裂させ、連勝で3勝2敗とした。十両では1993年初場所で智ノ花(のち元小結智乃花)が花ノ国に決めて以来27年ぶり。自身の代名詞となる大技をプロで初めて決め観客を熱狂させた。

 観客も何が起きたか、一瞬、あ然。宇良が旭秀鵬の脇に潜り、低くしゃがみ込む。次の瞬間、背中を勢いよく後方にそらすと相手が横向きに転がった。

 これぞ幻の技「居反り」。目の当たりにした館内は声援禁止の中、うなり声と大拍手が響いた。27年前に決めた業師、玉垣審判委員(元智乃花)が土俵下で見ていたのも縁だ。

 「ついに出たというか…。自然と体が動いた。自分でもびっくり。たまたまです。(13年)世界大会以来ですかね…。居反りと注目されながら、出していない」と、笑った。

 入門前にテレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」で世界大会や学生相撲の映像が取り上げられ話題に。師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)から「アクロバット力士」と命名され、2015年春場所でデビューした。

 初土俵から34場所、223戦目、161個目の勝利でついに“代名詞”の技をさく裂させた。2度の右膝手術を乗り越え、3年ぶり戻って来た関取舞台。場所前には「けがを恐れることなく自分らしい相撲を出して終わったら、その方が気持ちいい。勝負所で簡単に土俵を割ることは僕にはできない」と退路は断って臨んだ。「居反りもバンバン出す」と宣言し、有言実行した。

 今場所は難病と闘う福岡の88歳女性、酒井佐津恵さんから贈られた化粧まわしで土俵入りする。ファンレターと手形を送り合ったことが縁で親交。連日の奮闘で勇気を届ける。化粧まわしのデザインは桃色で「技」の一文字。「そのことを考えたら技を出せて良かった」と会心の“宇良スマイル”を浮かべた。

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