札幌開催浮上の東京五輪マラソン 暑さ軽減で高速化必至に「MGCとは何だったのか」
国際オリンピック委員会(IOC)は16日、猛暑が懸念される東京五輪陸上のマラソン、競歩について、札幌で開催することを検討すると発表した。IOCによると札幌は五輪期間中の気温が東京よりも5~6度低いという。実現すれば、暑さによる選手への負担は軽減するが、日本陸連は9月に東京五輪代表選考会のMGCを実施したばかり。東京の暑さやコースを想定して企画され、男女各2人の代表が決定した選考会だったが、大前提が崩れる可能性が出てきた。
札幌の近3年の女子マラソンが行われる8月2日、男子マラソンが行われる8月9日の気温をみると、
2019年
8月2日 最高34・2度、最低23度
8月9日 最高25度、最低19・8度
2018年
8月2日 最高29・6度、最低20・5度
8月9日 最高25・4度、最低20・9度
2017年
8月2日 最高27・6度、最低20・4度
8月9日 最高23・3度、最低19・3度
となっている。湿度も東京よりも低く、スタート時間が午前中であれば20~25度前後でのレースが想定され、現行案よりも高速化は必至。一度本番コースを経験した強みも生かせなくなる。
ネット上では「MGCとは何だったのか」、「MGCの経験が無意味になる」、「もっと早く検討できただろう」などの声が溢れた。