嘉風、一番の思い出は負けた稀勢の里戦「花道で芯から震えた」

現役時代の思い出を聞かれて考え込む元関脇・嘉風の中村親方=都内(撮影・堀内翔)
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 「大相撲秋場所・9日目」(16日、両国国技館)

 元関脇で関取最年長37歳、西十両7枚目の嘉風(尾車)が16日、都内のホテルで現役引退と年寄「中村」襲名の会見を行った。

 16年の土俵人生、一番の思い出に負けた相撲を挙げた。14年夏場所、新小結場所の大関稀勢の里戦。最後は寄り倒されたが「めいっぱいの力を出し切った。負けてもらった声援の中で一番だった。花道で芯から震えた。負けたけどすべてを出した。達成感、充実感は今までの勝ち星にも替えられない」とした。

 今後は尾車部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。会見の壇上に並んだ師匠の尾車親方(元大関琴風)は「記録より記憶という相撲の考え方。私もその言葉は大好き。勝つことは大事だけど全力の相撲を取って勝ったり負けたりがもっと大事。それを本人は続けてきたからこそ今の相撲ファンから高い評価をもらっている。拍手、声援が一番のバロメーター。わくわくした相撲を見に来た人に見せることを弟子に伝えてほしい」と、期待を寄せた。

 引退原因となった右膝の重傷からリハビリ中で、本人はまだ「そういう気持ちになれない。指導する立場に早く戻れるように」と、親方として弟子に胸を出せるまで足を回復させるために今は必死。「ゆくゆくは部屋を持って自分の育った尾車部屋のような弟子がめいっぱい力を出せるような部屋をと思っている」と話した。

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