稀勢の里、好相性の御嶽海に完敗…引退崖っぷちに追い込まれる 横審もあ然

 「大相撲初場所・初日」(13日、両国国技館)

 右膝負傷で先場所を途中休場し今場所に進退を懸ける横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=が初日、小結御嶽海(出羽海)に押し出され、いきなり引退崖っぷちに追い込まれた。横綱昇進後の黒星発進は6度目で過去5度はすべて途中休場。“休場率100パーセント”の鬼門にまたものまれた。2日目、3連敗中の幕内逸ノ城に連敗となれば引退は現実味を帯びてくる。

 ため息が充満する中、稀勢の里は唇をかみ、首をひねった。「大事」と位置づけた初日になすすべなかった。

 過去6勝1敗の相手に左差しを封じられ、腰高になってもろ差しを許す。突き落としも不発で呼び込み棒立ちになり押し出された。

 場所前、突き放す相撲を繰り返していた。「そういう場面が多くなる」と左差しにこだわり過ぎた先場所の反省を踏まえた稽古だった。必勝が求められた初日、選択したのはまた左差し。「求めると求めちゃう」と言う理想の相撲をやはり追いかけ、そして散った。

 昇進後、初日黒星なら“休場率100パーセント”。いきなり土俵際に立たされた。先場所後、横綱審議委員会(横審)は初の「激励」を決議。初場所で途中休場なら「引退勧告」の可能性は十分にある。

 横審は初日から国技館で見守っていた。都倉俊一委員(作曲家)は「言葉にもなりません」と絶句し、山内昌之委員(東大名誉教授)は「どうして慌てるんでしょうね。これまでつかまえられていたのに」とあ然だった。

 北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「あそこで頑張り切れないのは(場所を)全うできるか不安。頑張ってほしい」と願った。八角理事長(元横綱北勝海)が「攻めているけど御嶽海がうまくおっつけた。あした、あした」と言うように切り替えるしかない。

 先場所は、横綱として87年ぶりに初日から4連敗し途中休場。「もう1回チャンスを下さい」と今場所にすべてを懸けた。横綱の不名誉をこれ以上は重ねられない。先場所後、稀勢の里は親しい関係者に早い段階で2敗を喫すれば、引き際とする意向を告げた。

 2日目、3連敗中の“天敵”逸ノ城に敗れ、初日から2連敗となれば引退の2文字は現実味を帯びる。

 以前なら敗れた後は風呂場で絶叫し、鬼の形相で悔しがる姿を見せたが、この日は静かに淡々としていた。最後にあした修正か?と問われ「そうですね」、ここからか?には「うん、そうだね」と声を絞り出した。

 紺から新調した赤紫色の締め込み。赤系は新十両から10年着用したえんじ色以来。番付を駆け上がった頃の燃える闘志を思い出し、逆襲あるのみだ。

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