神鋼弔い星 平尾の魂とともに逆転Vへ 黄金期彷彿!鮮やか展開ラグビー

 「ラグビー・トップリーグ、神戸製鋼37-24ホンダ」(22日、鈴鹿スポーツガーデン)

 神戸製鋼が6トライ、37得点を奪ってホンダに快勝し、ゼネラルマネジャー(GM)で20日に53歳で死去した元日本代表監督の平尾誠二さんに弔い星を捧げた。6連勝を飾り、13季ぶりの優勝へ向け、7勝目(1敗)を挙げた。この日は全5試合4会場で半旗が掲げられ、黙とうを行い、ミスター・ラグビーを追悼した。開幕から負けなしのヤマハ発動機とサントリーは連勝を8に伸ばした。

 悲しみをこらえきれなかった。試合後の公式会見で、神戸製鋼のフランカー橋本大輝主将(29)はうつむいたまま無言。そして目頭を抑え、おえつを漏らした。見かねた隣席のマッケイHCが英語で代弁。しかし井上聖人通訳まで号泣し、言葉にならなかった。

 責任感で何とか顔を上げた橋本大主将は声を絞り出した。

 「この勝利を平尾さんに見ていただいていれば良かった。今週は非常にタフな1週間だった。亡くなられたさみしさ。感情のコントロールが難しく、リーダーシップが発揮できなかった。ラグビーどころじゃなかった」

 それでも「何としても勝たないといけない試合」だった。喪章を着け、黙とうした後輩たちは、一丸となり天国に追悼星を捧げた。

 前半14分にラックから橋本主将が飛び込みトライを挙げた。後半25分、キックパスから流れるようにつないでトライ。鮮やかな展開ラグビーは88~94年度のV7黄金期をほうふつとさせた。平尾GMと二人三脚でチーム強化を担ってきた神戸製鋼本社の森地高文専務執行役員(58)は「今のスタイルは昔、平尾がやろうとしていたものだ」と心を震るわせた。

 後半14分、モールから駄目押しトライを決めた日本代表フッカー木津武士(28)は「いいラグビーをすれば(平尾氏は)喜んでくれる」と力を込めた。12番を受け継ぐCTB山中亮平(28)は「平尾さんがいなければ今の僕はない。結果を出すだけ」と決意を込めた。最後の15分、死力を尽くして守り切り大きな勝ち点5を得た。逆転の弔いVへ、平尾氏の魂とともに“鉄の男”たちが燃えている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス