日和佐、サンウルブズ消滅情報に燃えた

 ラグビーの世界最高峰リーグといわれるスーパーラグビー(SR)に日本から初参戦するサンウルブズは4日、東京都北区の国立スポーツ科学センターで選手のメディカルチェックを実施した。昨秋のワールドカップ(W杯)日本代表だったSH日和佐篤(28)=サントリー=は、準備不足で“サンウルブズ消滅”との情報が、チームとの契約のひとつの理由だったことを明かした。

 「ラグビーの話はまだ何も聞いてません。右も左も分からない。昨日のミーティングは自己紹介。今日は健康診断みたいなものでした」。メディカルチェックを終えた日和佐は苦笑した。

 開幕目前ながら準備の遅れが目立つサンウルブズ。だが、日和佐は不安を打ち消した。「直前まで試合をしていた選手がほとんどだから、試合勘は残ってる。コーチの目指す戦術を確認したら、そこに合わせて自分の強みを出していきたい」。

 サンウルブズへの参加を決めたのは昨夏だった。日本代表リーチ主将がチーフス(ニュージーランド)を選ぶなど海外チームを目指す選手も多く、2012年にフランスでのプレー経験もある日和佐は「僕も海外でやりたい気持ちはあった」と話す。

 「でもサンウルブズがなくなるという話もあって、それはマズイと」。選手やコーチとの契約が進まず、このままでは参入が撤回されるという情報が流れ、日本ラグビーが世界と戦えなくなる危機感が決断を促したのだ。だから現在の準備の遅れも、ネガティブに捉えてはいない。

 「すべて新しいことへの挑戦だから楽しみです。対戦したいのはやっぱり田中さん(笑)」。代表で正SHを争う田中のいるハイランダーズとの対戦は、プレーオフに進まなければ実現しない。野望を胸に、日和佐は開幕を待つ。(大友信彦)

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