今年は様相一変の「横浜銀行」

 【関本四十四の「ひとにらみ」12】

 巨人、いよいよ苦しくなってきた。8月29日から31日の対DeNA3連戦を1勝2敗と負け越した。

 勢いのある広島が1ゲーム差で迫って来たし(1日現在)、阪神もしぶとく食いついている。残り29試合、すべてが“正念場”だと思って戦うしかない。

 31日、久保(裕也)投手が5年ぶりに先発した。5回を2失点。数字だけを見れば今後にメドが立ったけど、ちょっと残念だったのは、六回にマウンドでの投球練習中、右ふくらはぎを吊って降板したことだ。

 今年はこういうケースがよくある。確か、内海(哲也)もやっているはずだ。常日頃から入念な準備が欠かせないということだ。

 久保は初回、ブランコに先制の2ランを浴びたが、回が進むにつれて足の上げ方を変えたりして工夫していた。コントロールが良くなった。

 でも、あのアクシデントで巨人ベンチが慌てたのは間違いなく、急きょ登板の江柄子(裕樹)にも影響があったようだ。七回1死一塁で桑原に頭部死球を与えて危険球退場…どうしても焦ってしまうんだ。

 前回も指摘したけど、今年の巨人はここ2、3年なかったことが起こる。山口(鉄也)やマシソンで簡単に試合を落としているのがいい例だ。そうそう、大型連勝もない。

 いずれにせよ中日が首位争いから脱落したと見ていい。これからの相手は広島と阪神だ。巨人、これから果たして浮上してきた相手を「モグラ叩き」ができるかどうかがポイントだ。

 まずは2日からの対広島3連戦。最低でも2勝1敗、理想を言うなら3連勝が望ましいが、今年の巨人は広島に7勝9敗(1分)と負け越している。さあ、どうなるか。

 負け越しと言えば、今年はDeNAにも7勝9敗だ。これまでは「横浜銀行」なんて呼んで白星をバンバン融資してもらい、優勝へのカモだった。今年は様相が一変したし、広島と同様に残り試合が結構多い。

 出でよ、ヒーロー…と言ってはみても、なかなか出てこない。ファームから上がってきた若手野手や投手がいきなり試合で活躍してこそ、チームにこれ以上ない活力を与えるものなんだ。

 戦前、我々評論家のは、この時期に巨人が2位チームに7ゲーム差くらいを付けると予想していた。それが「尻に火」の1ゲーム差だ。セ戦線、まったく分からない展開となってきた。

 それにしてもDeNAの3番グリエル、4番ブランコ、5番バルディリスのトリオは凄い。それなりの犠牲を払ってのことだが、5球団にとって脅威以外の何者でもない。

 グリエルを見ていたら、かつて大洋(現DeNA)でプレーしたシピンを思い出した。川上(哲治)監督に「ヒットならOK」なんて言われたもんだ。

 阪神はそのDeNAを2日から甲子園に迎え撃つ。ゲーム差は5・5だ。結果次第ではAクラス争いも風雲急を告げそうだ。(デイリースポーツ評論家)

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