韓国では街を歩けない李大浩 日本では“引きこもり”…妻との電話代は月10万超

【2012年4月20日付デイリースポーツ紙面より】

「オリックス11‐9ソフトバンク」(19日、京セラ)

 積もりに積もったうっぷんを晴らした。オリックスが今季最多タイ15安打で今季最多の11点。けん引役は李大浩だ。決勝打を含む3打席連続のタイムリー。主砲が今季初の勝率5割に導いた。

 三回1死一、二塁。新垣から右中間へ決勝の2点二塁打を放った。18日終了時点で打率・196と不振だった主砲。珍しく二塁上で感情を爆発させた。手を激しくたたくと、両拳を力強く突き上げた。「今まで申し訳ない気持ちだった。またここに上がれるように頑張りたい」。来日初のお立ち台では忘れかけていた笑顔も取り戻した。

 初回1死二塁は三塁線を破る適時二塁打。59打席目にして飛び出した来日初長打は、4日の日本ハム戦以来10試合ぶりのタイムリーにもなった。四回2死一、二塁は中前適時打。来日2度目の猛打賞も記録した。

 ここまでは野球以外でストレスがたまる日々を過ごしてきた。地元の韓国・釜山では街を歩けない人気者だが、日本では言葉が分からないためほとんど外出しない。妻のシン・ヘジョンさんとの電話代が月10万を超えることもあった。

 だが、家族は6日に来日。この日はバットでも自信を取り戻した。次にファンが期待するのは来日初本塁打だが、「力が入ってオーバースイングになるので静かに応援してください」とジョークでかわした。もう心配はない。李大浩にとって大きな節目の一日となった。

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