広島・辰見 甲子園でNPB記録代走26盗塁決める「マツダより走りやすい」 あくまで自然体で「チームのために」
広島・辰見鴻之介内野手(25)が7日、自然体で代走シーズン最多盗塁のプロ野球新記録を目指す決意を示した。8日からは甲子園での阪神3連戦。3日・中日戦(バンテリンドーム)で、25盗塁目を決めてプロ野球記録に並んだ。チームは自力でのCS出場の可能性が消滅し、崖っぷち。1点をもぎ取る盗塁で白星を呼び込み、球史に新たな歴史を刻む構えだ。
偉業への秒読み段階に入っても、辰見に浮足立つ様子はない。「早く決めたいなという思いはありますけど。でも、試合に出たときは、チームのためにというのが一番かなと思います」と自然体を強調。どこまでもチームファーストの言葉が頼もしい。
3日の中日戦で、1979年に藤瀬史朗(近鉄)が打ち立てた、代走でのシーズン25盗塁のプロ野球記録に並んだ。実に47年ぶりの快挙だった。
そこから走る機会がないまま3試合が経過した。8日からは甲子園での阪神戦に臨む。独特の雰囲気が漂う敵地では、今季は6試合で2盗塁を記録している。盗塁数こそ少ないものの、黒土の感触は良い。
「どちらかというと、マツダスタジアムより反発をもらいやすい。マツダより走りやすい」。地面から伝わる力を最大限に利用し、最高のスピードへと還元する。
意識の変化と万全の準備が盗塁数の増加につながっている。「けん制に不安があると、思い切ってスタートが切れない。練習でいろいろ試した結果、今は自然とああなっているのかな」。球界トップクラスの足の速さに加え、投手からのけん制に備えて素早く帰塁できる構えや、最適なリードの歩幅などを見つけられたことが驚異的な成功率を生み出している秘訣(ひけつ)だ。
マークが極めて厳しくなる試合終盤の代走。リクエスト制度も定着し、ミリ単位の判定が行われる中で残してきた数字は驚異的と言える。
赤松外野守備走塁コーチは、潜在能力に大きな魅力を感じている。「絶対に走ると分かっている場面で、成功率が高いのはすごい。でも、まだ1年目。スタートがもっと良くなれば省エネで走れる。すごいスピードで走るためのサポートをしていきたい」と、さらなる進化に期待を寄せた。
前カードの巨人との3連戦で3連敗を喫し、自力でのCS出場の可能性は消滅した。辰見が繰り返すのは「チームのために」という言葉。甲子園の黒土を蹴り上げながら進む一歩一歩が、勝利への道をつくり、プロ野球史にも名前を刻む。
