広島・塹江巻き返す! 最速157キロの剛腕が制球力向上で完全復活だ 昨季防御率1・58→今季5・40「総じて実力不足」

 広島・塹江敦哉投手(28)が完全復活へ、制球力向上をポイントに掲げた。24年はブルペン陣の一角としてフル回転を果たした左腕だが、今季は8月上旬以降、1軍での登板はなかった。最速157キロの剛腕が制球力を磨けば、まさに鬼に金棒。リリーフ陣の争いに再び加わっていく。

 逆襲への道筋は見えている。不完全燃焼に終わった1年を決して無駄にはしない。塹江は今季を振り返り、「思った通りのシーズンにはならなかったんで、残念だなっていう感じですね」と冷静に言葉を並べた。

 サイドスローに転向した1年目の24年は自己最多の53試合に登板し、防御率1・58と覚醒。今季も中継ぎの一角として大きな期待が寄せられたが、終わってみれば28試合で0勝1敗、1セーブ、防御率5・40。「いろんな要素を含めてですけど、総じて実力不足っていう形です」と成績を受け止める。

 成績を落とした「いろんな要素」の中の一つが昨オフの“刺激”にある。昨年11月にトレーニングのため渡米。そこでMLB通算227セーブのヘイダー(アストロズ)ら、MLBトップレベルの選手たちと時間を過ごした。

 目の当たりにしたのは100マイル(約160キロ)が当たり前の世界。「僕も去年155キロが出て、ここで満足したら終わりだなと。アメリカで勉強して、より質の高いボールを投げられたら今年はもっといい結果が出ると思った」と昨オフは平均球速の底上げを狙って、汗を流した。

 思惑通り、今年6月には自己最速を更新する157キロを計測。しかし、「力で上回るだけでは、1年間投げ切ることはできない」と結果は付いてこなかった。改めて気づかされたのは制球力の重要性。「制球できる自信を持つことが大事。打者が嫌がるところにコントロールできるように」と目標を掲げる。

 今秋は宮崎県日南市でのキャンプに帯同せず、残留組として調整。由宇球場でのシート打撃では左打者の内角、右打者の外角をテーマにおいて腕を振った。「僕が出てきて(打者にとって)何が一番嫌かっていうところをもう少し考えて」。自身の強みを最大限に生かすため、試行錯誤を続けている。

 来季は栗林、岡本、辻が先発に転向。安定感のあるブルペン構築のため、経験豊富な左腕の復活は欠かせない。「使いたいと思ってもらえるようにするのが最初にある。いい準備をして春からアピールしたい」と塹江。来季こそフル回転でチームを支える。

 ◇塹江 敦哉(ほりえ・あつや)1997年2月21日生まれ、28歳。香川県出身。178センチ、91キロ。左投げ左打ち、投手。高松北高から14年度ドラフト3位で広島に入団。16年9月11日・巨人戦で1軍初登板。20年7月8日・DeNA戦でプロ初勝利。23年オフにサイドスローに変更。25年4月10日・中日戦でプロ初セーブをマーク。背番号36。来季年俸は3500万円(推定)。

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